瀧口:GoogleとFacebookの価値観の違いというのは、どうご覧になりましたか。
横山:難しいことを言いますけれども(笑)。Facebookの方が、会社のカンパニーバリューが割とシンプルに書いてあります。「Move Fast」や「Be Bold」、「Focus on Impact」など非常に数も少ないですし、そこはなるべくシンプルにするっていうつくり方をしているというのと、普段の会議の中で価値観について実際に話しながら、こういうやり方がいいっていうのを決定した経験が個人的には多かったかなと思います。
奥平:さっきの話に戻るんですが、Google流は実は日本だけ特殊じゃないんだよっていう話が非常に面白いなと思ったんですけど、組織づくりや採用でもいろいろと応用できる部分が多い一方で、実際Googleとスタートアップで規模感が違うということもありますよね。Googleから出られて、Google流だけでは通用しなくて、むしろアジャストする部分があったとか、そういう気づきがこれまでの事業展開の中でありますか。
佐々木:そうですね。やっぱりなんだかんだ言ってGoogleって非常に余裕がある会社なので、ゼロから始めるスタートアップとは全然違いますよね。働くということに対する姿勢、ゼロからスタートアップを立ち上げる時に求められるエネルギーっていうのは全然違います。例えば極端な話、Googleを一度経験してしまうと、スタートアップに向かないんじゃないか、みたいに言う人たちもアメリカとかだといますよね。
そういうこともあるので、「これからビジネスを作っていくのは違うっていうことだよね」というように、自分の中やチームで盛り上げるみたいなことはすごく重要だなと思いました。
奥平:横山さん、いかがですか。
横山:まさにそうなんですけれども、佐々木さんが考え方的なお話だったので、実際にそれをどう進めていくかという時は、人数が少ない中でやらなきゃいけないことがいっぱいあって、どれをやってどれをやらないかっていうのを自分たちで決めて進めなければいけない。今まではグローバルにチームがあって、例えば私がいた部署では10人弱くらいのチームで戦略を決めて進めるようなことをやっていたんですけれども、それでも10人いるんですよね。
ただ、今は立ち上げを1人、2人で始めるので、どこをやってどこをやらないのか、今重要視するのはどこなのかというのを、かなり密に話し合いながら加速して進めています。自分たちも変わっていかなきゃいけないというのを声に出して、今までのやり方じゃうまくいかないということをかなり意識してやっていますね。
奥平:おそらく、どんどんやりたいことは増えていきますよね。それをいかにやらないことを決めていくかということですね。
横山:そうですね。このフェーズでは今できない、ということを決定する勇気は必要だと思います。
奥平:Google出身の方って、Google出身の方を共同創業者に選ばれたり、社員で雇ったりされるケースがままあると思うんですけれども、元Googleの同僚でもスタートアップに向く人と向かない人がいるんですか。
佐々木:いると思いますよ。あとは、Googleじゃない優秀な人もいると思いますね。
瀧口:横山さんの会社は、特にテックジャイアント出身の方が多いんですか。
横山:そうですね。今、エンジニアでそうじゃない方ももちろんいらっしゃいますが、GoogleやMicrosoft、Amazonなどそういった企業で働いていた経験のあるエンジニアが結構いますね。
瀧口:最初の時点でカルチャーが共有しやすいということはあるんですか。
横山:そうですね。見てきた景色は一緒だったりするので、あの感じにならないようにしようねとか、こういう感じが良かったよねっていう感覚論で話すところで意識が合っているというのは、やっぱりスピードが出ますね。
瀧口:共通言語があるという感じですか。
横山:そうですね。そこにまた違ったバックグラウンドの経験がある人たちが入ってくると、新しい考え方や新しいやり方が生まれるので、すごくいいモメンタムになっているなと思っています。
瀧口:分かりました。ここでお二人のご登壇は一旦締めさせていただきます。この後、後編に続きます。ありがとうございました。
佐々木:ありがとうございました。
横山::ありがとうございました。
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