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瀧口:Googleにいらっしゃって良かったなと思われることや、今振り返ってみて、Googleで得たものはどういうところで生かされていますか。佐々木さん、いかがですか。

佐々木:Googleって本当にグローバルカンパニーなので、とりあえず一回、全世界で同じことをやってみるんですよね。それを日本のオフィスにいて、「それは日本ではワークしない」って反対する人もいっぱいいるんですけど、意外とやってみるとうまくいくこともいっぱいあるんです。そのメンタリティみたいなものはすごく勉強になりました。

日本人ってすぐ、「それは海外ではうまくいってるけど日本ではうまくいかないんだよ。日本は特別なんだ」とか勝手に日本特別説をつくっちゃうんですけど、それはすごく"思考停止"だと思います。やっぱり世の中全体の進化の方向って、幅はあるかもしれないけど、ある程度同じ方向に向かっているので、その流れをしっかり受け止めるみたいなところは、体でぶち当たって経験できて良かったなと思います。

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奥平:まずやってみる精神っていうことですね。横山さんのところで言うと、プラットフォーマーなり"GAFA"(4つの主要IT企業【Google、Amazon.com、Facebook、Apple Inc.】 のの頭文字を取った総称)っていう方は、グローバルワンプラットフォーム、ワンプロダクトじゃないですか。それに対して個別対応しなきゃいけない訳ですよね。買い手が違うんじゃないかなと思うんですけど、GoogleやFacebookで得た経験はどういうところで生きていますか。

横山:おっしゃっていただいたように、いわゆるプラットフォーマーの人たちは、持っているプロダクトを強く押し出して拡大していくということにフォーカスしている。つまり、強みにフォーカスするという仕事のアプローチはすごく勉強になったところです。

我々もいろんな企業さんとお付き合いしていて、全部カスタマイゼーションでつくっていくかというと実はそうでもなくて、根幹になっている部分に関しては、我々のプロダクトとしてライセンスを持って提供しているので、そこはしっかりと強みは生かしながら、その中で各企業さんの一番課題となっているところを解決するようなカスタマイゼーションを加えることで、ビジネスインパクトを出していく。そういうところは役に立っていると思っています。

瀧口:Googleと言いますと、組織づくりや採用といった面でも学ぶところが多いんじゃないかなと思うんですけど、そういったところで今生かされている部分は何かありますか。

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佐々木:やはりミッションとかカルチャーをすごく真剣に大事にしているし、それによって自分も働いている人間として良かったなと思う経験というのはありますね。結果として、僕たちの会社でもミッションはすごく大事にしているし、なんのためにこの仕事をやっているのかとか。

もちろん仕事ってお金を稼ぐためにやっているという側面もあるので、よりいっぱいお給料稼げたらいいよねとか、成功したらいいよねとか、名誉を得られたらいいよねとかいうのがあって、僕なんかもそうなんですけど、でもそれ以上に、例えば世の中の中小企業にテクノロジーが広まっていく、それが起こるのと起こらないのとでは全然違う世界が待っている、こういうふうに思えるかどうかというのがすごく重要で。

僕はGoogleの時、例えばクライシスレスポンス、要は地震が起きたときに世の中のために何ができるのかということに対応したりするんですけど、そういう時に中途半端な姿勢で臨んでいると、新卒の子に怒られたりするんですよね(笑)。もっと良い世の中にするために、こういうふうに真剣にぶつかり合っている人たちがいるんだなと思えたのは良かったし、自分が組織をつくるなら、そういうものがつくれないといけないなっていう、すごくいい目標を持てたなというのはあります。

瀧口:ミッションをはっきりさせて、その方向に向かっていくっていう部分ですね。その訴求力というところはいかがですか、横山さん。

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横山:社会においてどういう価値が生めるかっていうことに向き合っている人の数が多いと思うんです。全員がそうかというと一人一人の課題ではあると思うんですけど、非常に意識の高い人、そういう考え方で仕事に臨んでいる人が多いと思うんですよね。今、そういう企業さんが増えてきたと思うんですけれども、それを世界中に広めてかつ明文化するというのは、カンパニーのミッションだったり、後はカンパニーバリューと言われる会社としての価値観をどういうものなのか明示して、それによってみんなの考え方、仕事のやり方、向き合い方というのを一つの方向に持っていくというアプローチは非常に勉強になりました。

私の場合はその後のFacebookと2社経験できたことで、自分たちはどういう価値を提供していって、どこを自分たちの価値観にしていくのかっていうのを大事に考える、そういう姿勢で会社をつくることができたというのは影響を受けているなと思います。