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瀧口:これまで12年間やってこられて順風満帆の印象ですが、困ったこともありましたか?

岩元:やはり究極の循環を作りたいという思いがありまして。消費者が参加したり、素敵な商品を作ったり、みんなが参加できるインフラを構築したいと思っていたんですけど、誰に話してもピンとこないんですね。世界中でそういう発想も事例も技術もなかった。たった2人の資本金120万円の小さな会社でしたので、なかなかそこを理解していただけなかったのが一番辛かったですね。

お金については最初のモデルが良かったので、まあまあ良かったんですけど、究極の循環型社会を作るためには消費者、小売り、技術、そこに地上資源ができてメーカーが参戦するという、この地上資源の循環型社会が無い限り(地球は)もたないよという提案をしても、それは何なんだと。それが2人の小さな会社でできるのかと。その連続なんですね。けれども正しいことは最後理解してくれるんだなと思いまして、言い続けることが大事なんです。

エタノールができて、デロリアンが動いて、資金調達ができて、工場が少し動きだして、商品ができる。「なんだこの会社は、言った通りにできたじゃないか」と。そういうことでいろんな会社がうちも協力したいとか、素敵な商品を開発したいとか、消費者からもリサイクルに参加しやすくなったとか、商品を買うとこの商品は今まで以上に良いとか、そんな声がどんどん出てきましたので、今ようやくうまくいってきたと思います。

最初はやはり世界中探してもどこにもなかったこの考え方や仕組みを、地球上に植えて成長させていくということがきつかったですね。今はこんなに大きな仕組みやブランド、資金調達ができましたので、まあまあ良くなってきた。またこれをぐっと世界に展開していきたいと思います。

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奥平:先ほど北九州は2千トンとおっしゃいましたけど、今後当然キャパシティーはもっと必要になっていくわけですよね?その辺りはどうお考えですか?

岩元:一つは川崎に世界最大のケミカル工場を買いましたので、そこに最先端の技術を入れて、2020年稼働を目標に今進めています。

奥平:それはどのくらい処理できるんですか?

岩元:2万4千トンです。10倍以上ですね。それ以上に増やすか増やさないかまた議論は別ですけど、そういうものを買わせていただきましたので、それが一つ。もう一つは海外。フランスのリヨン。

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瀧口:綺麗な街ですね。

岩元:ここは製造業としてのインフラが整っているんですね。ヨーロッパでリサイクルするにあたっていろんな候補があったんですけど、今回リヨンに建てることに決めました。2021年建設予定で、今そのための準備にあたっています。

奥平:川崎とフランスで資金はどう手配されるわけですか?

岩元:今現在いろんな投資家さんにご相談をしておりまして、いいところまで来ております。

奥平:もうじき比較的大きな資金調達が発表されるかもしれないと。

岩元:かもしれないですね。なかなかこういうのは難しいですね(笑)。

瀧口:G20で(エマニュエル・)マクロン大統領が来日された時は髙尾社長がお会いになられたんですか?

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岩元:ぜひプレゼンしてほしいということで、最先端の技術やEUではこういう展開をしたいと。ちょっとしたプレゼントを渡したら喜んでいただきました。

瀧口:EUはSDGs(持続可能な開発目標)というところを非常に重視していますよね。

岩元:桁が違いますね。環境への思いも違いますし、政策を一気に進められるんですね。それはまずEUからだと思っておりまして、ですから政策に落とし込めるような動きであったりアパレルとか回収拠点も日本のモデルをEUに持っていこうと一生懸命やっています。

瀧口:どんどん世界に広がってきていてワクワクしますよね。岩元会長は世界をどのように変えていきたいですか?

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岩元:私は皆さんにお話する時一つしかないんですけど、この技術を使うと同じものができるんです。そうすると地下資源、石油に頼らない社会ができる。そうなると石油はいらないじゃないですか。戦争の主な原因は地下資源の争奪です。これをやめさせられるんじゃないかと思っています。ですからこの仕組み、技術、商品が展開すると半永久的に回りますので、そしたらCO2が半分になって地下資源争奪戦争が起こらない。地球環境と世界平和が両立できるんじゃないかと思っておりまして、これが私の夢なんです。

そのために一生懸命駆けずり回って思いを伝えて仕組みを理解していただいて素敵な商品を作っていただいて、みんなと一緒に育てていきたいと思っております。

瀧口:壮大な夢ですね。

奥平:これが完成した暁にはノーベル平和賞ですよね。

岩元:どうでしょうね(笑)。それは神様が決めることなので。目の前の正しいことを楽しくやって結果そうなればいいなと思っております。

瀧口:楽しみにしています。ありがとうございました。

(C)Paravi