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瀧口:日本環境設計という社名の由来は何ですか?

岩元:すごいですよね(笑)。環境全体をプランニングしていく。技術だけでなくてみんなが参加する仕組みや商品開発まで設計しないと環境循環が回らない。ということで"環境設計"なんですけど、ちょっと大きく見せたいじゃないですか。2人の会社なので。

奥平:相当大きいですよね(笑)。

岩元:そこで「日本を付けると大きく見えるんじゃないの」ということで(笑)、日本環境設計になったんです。

瀧口:スタートアップらしからぬ名前ですよね(笑)。

岩元:普通みんな横文字の社名とかかっこよく付けていますけど、環境はもうちょっと真面目くさくていいじゃないかと。でもちゃんとやって楽しいを前面に出しているので、それでみんなが参加してくれたらいいんじゃないかということで堅い名前にしました。

奥平:会社を作られたのはいつですか?

岩元:2007年ですね。

奥平:でも翌年リーマンショックが来ちゃうわけですよね。起業するタイミングとしては・・・。

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岩元:リーマンショックがあるのは誰もわからないじゃないですか(笑)。

奥平:よくこの番組でも同じテーマがあがるんですけど、スタートアップって製造業、物理的な施設を伴うものは資金的な面でハードルが高いじゃないですか。よく12年間お金が途切れず続いたと思うんですが。

瀧口:最初は120万円からのスタートでしたからね。

岩元:うちの会社は利益の累積なんです。1回契約すると利益が何年も続くようになっているんですね。だから1社、2社、3社となると利益が重なっていく。

奥平:それはどういうビジネスモデルなんでしょうか。

岩元:基本的にはコンサルが多いですね。

奥平:当初はコンサルをされていたんですか。

岩元:コンサルや環境のシステムを使ってもらったりしていて、そこで得た利益を研究開発や設備投資に充てていきました。

奥平:ご自身はもともと商社マンですよね。パートナーの髙尾さんは大学院生。お二人でどういうコンサルをして、それを商品として買ってもらったんでしょうか。

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岩元:売ったものをリサイクルして原材料にしてそれをまた商品開発すると、すごくお客さんも満足しますよと。こういうビジネスモデルを考えて、それをいくつかの大企業さんに採用していただいたんです。

奥平:そういうリサイクルのネットワークを作るための取引先などは、もともと商社マン時代のつながりですか?

岩元:ではなくてほとんど飛び込みですね。

奥平:新規で作って、それを売られたんですか。

岩元:今何百という会社と取引がありますが、ほとんどが新規です。

奥平:では企業のネットワークは知見としてリサイクルをしたい会社に売り込むと。

岩元:(リサイクル品を)売るだけじゃコストがかかって儲からないとか悩んでいるところがたくさんありますよね。そういう一方通行の事業じゃなくて、返ってきてもう一度戻すという、将来あり得るモデルですよ、と。そういった売り込みが意外とうまくいったんです。

瀧口:それは例えばアパレルなどですか?

岩元:総合商社やメーカー、アパレルなどです。そういうところに提案していって、そうだね、ということでどんどん受注が増えたという感じです。

奥平:では外部から大きな資金調達をしなくても、期間利益の範囲内で研究開発ができたと。

岩元:そうなんです。そこでぐるぐる回していたんですが、工場を建てるのは別じゃないですか。バランスシートを大きくしなくてはいけないので。

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奥平:前編で見せていただきましたが、立派な工場ですよね。これはお金かかりますね。

岩元:これは30億円くらいかかりました。

瀧口:30億円はどうされたんですか?

岩元:それは投資家さんにお願いをしました。通常のビジネス、サービスだけなら回るんですけど、工場を建ててこの樹脂を作らないと素敵な商品ができないじゃないですか。そうなるとやはり資金が必要。10年間ずっと利益を出し続けていたので、この会社は間違いないだろうと見えたと思うんですね。それで大型投資がガッと入って、この工場が建てられました。

奥平:資金調達はVC(ベンチャーキャピタル)ですか?

岩元:そうですね。当初はVC、後にCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)もです。

奥平:なるほど。でもなかなかVCだと製造業のハードルは高いんじゃないですか?

岩元:ですからサービスを持っていたのが良かったんです。サービスと仕組みがあって、最後に技術をパーツに入れていくことが大事で、これでぐるぐる回るよねと。

奥平:では見せ方としては製造業としてではなくて、リサイクルの仕組みを売り込んでいる会社として、ということですね。

岩元:インフラを持っている会社ですので、技術も必要ですし、化学メーカーも必要ですし、アパレルメーカーも必要ですし、小売りも必要。みんなをまとめたんですね。

瀧口:ハブとなったわけですね。

岩元:そういう見え方が良かったんだと思います。それが珍しかったんですね。

瀧口:VCが入っていらっしゃるということは上場も視野に入れていらっしゃると。

岩元:そうしないと怒られちゃいますからね(笑)。頑張っています。

瀧口:大体いつ頃の上場をめどにされているんですか?

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岩元:それはどうでしょうね。まだちょっと言えないですね(笑)。頑張っていますということで。

奥平:今見せていただいた工場はもう稼働しているんですか?

岩元:稼働しています。どんどん品質も良くなっていますし、ケミカルというのは時間がかかるんですが、知見がどんどんたまって課題があっても解決できる。課題があるということが良くて、技術者がどんどん解決してレベルが上がる。

奥平:位置付けとしては量産プラントなんでしょうか?まだパイロットプラント的な存在なんでしょうか。

岩元:中間ですね。量産プラントを作るにはある程度大きなプラントが必要なので、その位置づけです。今世界中にいろんな技術が出てきていますが、それをここで使ってよって言ってるんです。ラボレベルでは一定条件ではできるんですけど、このクラスになるとやはりなかなかできない。だからこのクラスを試していって、良かったらウチが(その新技術を)実装すればいいんですね。

奥平:ちなみに大体キャパシティーはどれくらいですか?

岩元:目標は年2千トン、リサイクルできればと思っています。