「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

女優で、「ロコモティブシンドローム」を防ぐロボット研究者でもあるいとうまい子さん。人工知能(AI)開発のエクサウィザーズ(東京・港区)のフェローとなった経緯とは。AIや画像認識を使った介護支援、介護者へのコーチング支援などを進めてきたエクサウィザーズとのコラボで、これからどんな事業が生まれるのか。エクサウィザーズの石山洸社長も加わってトークを展開する。

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瀧口:さて前編に引き続き、女優であり研究者であるいとうまい子さん、そして後編からはエクサウィザーズCEOの石山洸さんにご参加いただきます。よろしくお願いします。

いとう・石山:よろしくお願いします。

瀧口:石山さん、最初にいとうまい子さんに出会われた時はどんなお気持ちでしたか?

石山:会社にいとうさんがいるっていうのがすごい違和感ありました。

全員:(笑)。

瀧口:そうですよね。

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石山:本当にびっくりして。最初に来られた時に会社の説明をさせていただいたんですが、まだいとうさんと一緒に研究できるか分からないという段階で説明をしなくてはいけなかったので、すごく緊張して。受けてくださるかどうか分からなかったので。

いとう:受けるかどうかって(笑)。石山さんすごく楽しい方なので。

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奥平:今どれくらいの頻度でオフィスに行かれているんですか?

いとう:私は月1です。

奥平:普通に月1でオフィスにいらっしゃってるわけですね。

いとう:月1でいろいろと会合に参加させていただいて。勉強させてもらっています。

石山:実際は今スタートアップの仕事の仕方って、SlackやTeamsなどのメッセンジャーでやり取りするじゃないですか。そこにいとうさんにも入っていただいています。

瀧口:Slackのメンバーにいとうさんがいるんですね。

いとう:入ってます。

石山:Slackで「@いとうまい子」さんが出てきます。

瀧口:不思議な感じがしますね。

石山:不思議ですね。スレッドの会話も、私が入るといろんな余計なこと言うので、いとうさんがメンバーとダイレクトにやり取りをしていて。ちょっとハブられています(笑)。

いとう:そんなことないですよ(笑)。

瀧口:最初のプレゼンをされた時はどういったところで、まい子さんと一緒にやりたいなと思われたんですか?

石山:まさに先ほどのロコモの話もそうですし、我々が取り組んでいるどちらかというと介護が必要になった後の話もそうなんですけど、啓蒙がまだまだ必要だなということがありまして。そういった中でもっと啓蒙していく、いわゆるマーケティングも含めたいい方法がないのかなという話をしていたんです。例えば介護や予防医学などヘルスケアの領域に詳しくて、知名度があって、AIやロボットに詳しい人、「そんな人いないよね」って話をしてたんですが、「いた!」みたいな(笑)。

全員:(笑)。

いとう:嬉しいですね。

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瀧口:(エクサウィザーズの取締役会長)春田(真)さんもよく見つけられましたよね。

石山:実際にいとうさんがロボットで展示されていたのは数年前なので、おそらく数年間ずっと心の中に残り続けていたんですね。

いとう:嬉しいですね。よく覚えていてくださって。

瀧口:それで去年の夏ごろにお声がけされたということですね。

奥平:エクサウィザーズさんは今、介護をAIで改善するということに取り組まれているわけですが、(ロコモ予防は)その前段階に位置付けられるわけですよね。

石山:おっしゃる通りです。ビジネス的に言うとバリューチェーンがつながったという感じです。

瀧口:なるほど。でも本当にまず知ってもらわないと、というところがスタートアップとしては大事になってくるわけですよね。

石山:そうですね。まさにエクサウィザーズもそれこそ会長の春田さんがいたり、いろんな"ウィザード(魔法使い)"の人がいるからエクサウィザーズという名前なんですが、いわゆるほかのスタートアップよりは知名度も上がりやすい環境だったんですけど、ここにまた全然違った"ウィザード"の方が来られて、新しいスタートアップの仕事の仕方としても面白い取り組みの一つになっているのではないかと思います。