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奥平:当初からこれをビジネスにしようという思いはあったんですか?

いとう:全くなかったです。元々ロコモティブシンドロームというのを知らない人が多かったんです。メタボって聞けば「おなかのお肉ね」って分かるんですけど、ロコモって言っても分からない方が多い。こういう物を作ることで「ロコモって言ったら足腰のことね」って分かってもらえるようになったらいいなと思って。メッセンジャーになりたかったんです。

これを売ってどうこうするつもりはなかったんですけど、企業様とコラボする時に「これを売ったらどうかな」って言われたので、会社の方で売ってくださるならそれは私の範疇とは別のところになるので、それはそれでいいかなと。

瀧口:研究していてその後にエクサウィザーズと出会ったんですね。それがまた驚きですね。

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いとう:そうなんです。私も全然エクサさんのことを存じ上げなかったんですけど、修士課程の時に国際ロボット展という所で、このロコピョンを早稲田のブースに置かせてもらい、毎日通って説明していたんです。

奥平:それは一人の説明者として。

いとう:もちろんそうです。開発者は私しかいなかったので。

奥平:来られた方びっくりしますよね(笑)。

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いとう:結構長蛇の列ができて、みんなにずっと説明していたんですけど、そこにたまたまエクサの代表の春田(真)さんが通りかかったらしいんです。それで「あれ、いとうまい子じゃね?」って思ったらしくて(笑)。「あれ、まじめにちゃんと説明してる、ちゃんと研究しているんだ」ってそこで知ったようで。その後会社を作られて、「そういえばいとうまい子が研究していたから、エクサのAIでコラボをしたらいいんじゃないか」ということになりお声がけいただきました。

瀧口:なるほど。AIというものに対しては元々興味はあったんですか?

いとう:いや、もうそこは領域外で。でも今はAI、AIと叫ばれていろいろなことに活用されているので「私のロコピョンにもAIを搭載できたらいいな」とは思いましたが、繋がりはなかったので、本当にただ思っていただけなんです。思いが繋がった感じですね。

奥平:今エクサではどういうお立場になるんですか?

いとう:エクサではフェローというか共同研究という形で、今はロコピョンの開発をしているんですけど、そうじゃないところでも会議に出席させていただいたりして、アドバイスというとおこがましいですけど、お話をさせていただいています。

瀧口:最近まい子さんがされたアドバイスを伺ってもよいでしょうか?言える範囲で構いませんので。

いとう:画像認識を解析することも特化してやられていて、ある国の渋滞緩和のためにその画像認識を使われたりしているんですけど、「その技術を何か他のことに使えないかな」って聞かれた時に、私、企業の"うつ病"に関しても関心があって。それも主人がなりかけたので関心があるんですけどね。

日々会社に来る人たちの中で、一度も笑顔がない人を画像認識で認識して、それが1週間も続くようであれば、その人をピックアップして、会社内で何か面談したり産業医の方とお話したりして、うつを回避することができないかな、というお話をさせていただきました。

奥平:健康については今どこも力を入れていますしね。

瀧口:アンケートだけじゃなくて見てあげるってことですね。

いとう:アンケートだとなんとなく自分でごまかして書いたりできるじゃないですか。でも笑顔って本当にそういう気持ちにならないとなれないと思うので、もしかしたら使えるんじゃないですか?ということで。