「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。
女優のいとうまい子さんは現在、早稲田大学大学院の博士課程で予防医学とロボット工学を研究中。そのいとうさんが、人工知能(AI)開発のエクサウィザーズ(東京・港)と共同で、高齢者の自立支援ロボットの開発を始めた。日常生活に必要な運動能力が低下した「ロコモティブシンドローム」を防ぐロボットを作るのが目標。アイドルからロボット研究者へ。いとうさんが目指す未来を聞く。
瀧口:今日は女優であり研究者のいとうまい子さんにおこしいただきました。よろしくお願いいたします。
いとう:よろしくお願いいたします。
瀧口:研究者になられていたんですね、まい子さん。
いとう:そうです。研究しているつもりはなかったんですけど、なんとなく好きなことや楽しいことをやっていたらそんな風になっていまして。
瀧口:皆さん、いとうさんのことをもちろんご存じだと思うんですけど、奥平さんは世代的にどうですか?
奥平:少しずれていますね。直近だと、番組名言っていいのかな、(生ホンネトークバラエティ)『バイキング』(フジテレビ)に出ていらっしゃるイメージですよね。
瀧口:お昼の番組ですね。
いとう:ありがとうございます。
瀧口:しかもこんなところに素敵なものが(いとうのレコードを取り出す)。
いとう:こんなところに(笑)。
瀧口:これはいつ頃ですか?
いとう:右がデビューした1983年で、左が1984年に出たものですね。
瀧口:めちゃくちゃかわいいですね。
奥平:瀧口さんが生まれた頃ですか?
瀧口:私は1987年生まれなので。
奥平:まだ影も形もない頃ですね。
瀧口:『バイキング』で私もいつも拝見しておりまして。このCDはどうやらプロデューサーの私物らしいです(笑)。今日も打ち合わせにやたらと熱が入っているなと思っていたんですが(笑)。「絶対にこれ出してね」って言われました。
いとう:ありがとうございます(笑)。
奥平:(スタジオも)普段と違う空気感ですよね。
瀧口:(現場にいるスタッフの)人数が多い気がしますね。ではここからいとうまい子さんの"研究人生"を伺っていきたいと思います。
いとう:大げさな感じですね(笑)。
瀧口:本当に好きなことを研究されていたら、いつの間にかその道に入られていた、ということなんですね。
奥平:今は大学院在学中ですか?
いとう:そうですね。博士課程です。
奥平:芸能と研究と2足のわらじを履いておられると。
いとう:あと主婦業とちょっと会社もやっているので、4足くらいですね。
奥平:ムカデみたいですね(笑)。
いとう:ムカデには足りない(笑)。
瀧口:どんな分野を研究されているんですか?
いとう:私はロコモティブシンドロームを予防するためのロボットを研究開発しています。ロコモティブシンドロームってあまり聞き慣れないと思うんですが、「運動器症候群」といいまして、簡単に言うと高齢になって足腰の筋力が衰えて、介護が必要になったりするような状態のことを指します。寝たきりになるのって本当に人生にとって一番辛いし悲しいですよね。だからそうならないためにどうしたらいいのか、「ロボットを使って予防できないか」ということを研究しています。
瀧口:実際どんなロボットを作っていらっしゃるんでしょうか。
いとう:卓上ロボットでスクワットをするんです。1日3回高齢者を目の前に呼び出して、「一緒にスクワットしましょう」って高齢者にスクワットをやってもらうんです。
瀧口:もしかして今、まい子さんの後ろにいるこの子、かわいいお人形かなと思ったんですけど、これがロボットなんですね。
いとう:一応ロボットです。
奥平:ウサギですか?
いとう:はい。ウサギってピョンピョンしていて足腰が強そうですよね。ロコモのロコとピョンピョンを組み合わせて「ロコピョン」と言います。
瀧口:ロコピョンかわいいですね。洋服も着ていて。見た目のデザインもまい子さんがされたんですか?
いとう:そうです。