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渋谷:柏の葉で働いている社員は8割、9割最寄りに住んで徒歩や自転車で通勤しいてますね。

瀧口:それもがっつり都心じゃないからできることかもしれないですね。

渋谷:こういう所で集中してクリエイティブな仕事、特にデザイン、エンジニアリングは職住近接で満員電車のストレスなくやってもらえるのがいいし、ファミリーを考えた時も子育てもしやすい所ですよね。

瀧口:やはりシリコンバレーのGoogleオフィスのような発想ですね。

奥平:そのタイミングでシリコンバレーに行かれたのが人生の転機になっていますね。

渋谷:そうですね。あのGoogleを見た時にあれをやりたいというイメージが、今につながっていますね。だから柏の葉なんです。秋葉原にも営業拠点があって。Googleもそうですよね。本社があって、サンフランシスコに営業拠点があるという。

奥平:ニューヨークにも営業の拠点がありますね。

渋谷:そういう感じになっていけばいいなと。

瀧口:高専生はまず渋谷さんのように一回シリコンバレーに行ってみるのがよさそうですね。

渋谷:本当にそうなんです。高専生をシリコンバレーに連れていくというのを推奨したくて。

奥平:最近高校生を連れていこうというのはいくつかの企業がサポートしたり、高校として送り出すというのがありますけど、むしろ高専の方が働くということがクリアにイメージできているので、いいかもしれないですね。

渋谷:あとは時間もありますからね。3年じゃなくて5年もありますし。

瀧口:長い時間があるのは強みかもしれないですね。

渋谷:僕が思うのは高専生って卒業すると大学に編入するんですけど、大体みんな日本の大学に編入するんですよね。僕もそうだったんですけど。だけど編入する時に海外の大学に行ったらいいんじゃないかと思うんです。

瀧口:どのあたりの大学に。

渋谷:それはアメリカでもどこでもIT系になると思うんですけど、一回世界を見て帰ってきた人が日本で活躍するみたいな、「高専生世界へ行け」というのを今後言っていこうかと。

瀧口:世界もそうですけど、地元にも還元していらっしゃるということですね。

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渋谷:はい。どちらも大事にしているので。

奥平:地方と海外がいきなり繋がるのって最近いくつか事例がありますけど、今後はもっと増えていくかもしれないですね。

渋谷:そうですね。"グローカル"みたいな。

瀧口:地元ということで長岡花火のアプリを作っていらっしゃると。これはどんなアプリなんでしょうか。

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渋谷:長岡花火って実は日本で一番の花火大会なんです。これはあと44日で長岡花火という意味です。

奥平:あと44日3時間20分(笑)。

瀧口:すごいカウントダウンですね(笑)

渋谷:長岡花火のニュースが届いたり、去年の花火が見られたりいろいろあるんですけど、当日まで機能がどんどん追加されていきます。何が出来るかというと花火って何時何分にどの花火が打ちあがりますというのが決まっていて、それをリアルタイムで確認できたり、あとは通知で"ここの駐車場埋まりました"とか"チケット完売しました"みたいな情報が飛んでくる仕組みになっています。

奥平:これは観光協会から受託して作っているんですか?

渋谷:長岡花火の財団があって、そこから受託して作らせていただいています。僕らぶっちゃけて言うとこれでお金を稼ごうという気は全然なくて、実は受託していただいたお金で花火を打ち上げているんです(笑)。

瀧口:え、どういうことですか?

渋谷:スポンサーになっていて、"スターマイン"を1個打ち上げるお金に使っています。

奥平:打ち上げる時に名前を読み上げるやつですよね。

渋谷:「若い力でふるさとを照らす」っていう花火なんですけど(笑)。

瀧口:結構テーマ長いですね(笑)。

渋谷:空も照らすし、僕ら地元にオフィスを置いているので、ITの会社があると若い人が帰ってきて、どんどん地元を元気にしたいという思いがこもっています。

瀧口:地元に花火を打ち上げるっていいですね。