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奥平:シリコンバレーの経験があって、そもそも起業したいという思いがあったということは、何年かそこで経験を積んで独立しようと思っていたんですね。

渋谷:そうですね。18歳の時に会社を作ろうと思ったんです。プログラミングをやっていて自分自身がコード書くのも好きなんですけど、こういう風に人と話したり、寮でみんなをまとめたりしていて、それが相対的に自分の得意なことかもしれないと思いました。それで何か夢がないかなって探した時に、会社って入らなくて作ることもできるんだなって思ったんです。

瀧口:やり方を学びにGREEに入ったんですね。

渋谷:経営については大学でマーケティングの勉強をしていたんですが、ベンチャーやITのことは一回やってみないとわからないなと思いまして、入れたのはすごく良かったです。僕は3年~5年くらいいて、その間にいろいろ学んでゆくゆくは起業しようと思っていたんですけど、たまたまタイミングが早まって。自分が思っていたより起業が早かったんです。スマートフォンが出てきたことがきっかけでしたね。

奥平:そこが転機になったと。GREEにとっても転機になるわけですよね。

渋谷:スマホが出てきた時にiPhoneを買って、僕自身もアプリを作ったりしてみて。当時趣味で自分で出したアプリが、最初に話したアプリランキングデータを集めてオリコン形式にして出すアプリだったんですけど、友達と作って出したらすごく流行って。2日で20万ダウンロードされたんです。そこに広告を貼っていたのでマネタイズもできて。やっぱりスマートフォンすごいなと思って、今しかないと思ったので櫻井に電話して。「今だ!時が来た」って。

奥平:時が来た(笑)。

瀧口:かっこいいですね。

渋谷:みんなで一軒家に集まって。早くない?ってみんな思ったと思いますね。今?みたいな(笑)。

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奥平:高専のクラスメートと起業されて、今ちょうどオフィスに伺っていますが現在社員数はどれくらいなんですか?

渋谷:このオフィスだと80人くらいです。

奥平:その中で高専卒はどのくらいいるんですか?

渋谷:45%くらいですね(笑)。約半分です。

奥平:異様に多いですね(笑)。経営者として見た時になぜ高専OBを採用しようと思ったんですか?

渋谷:僕、高専生っていいなと思うのが、コードを書くのでもプログラミングするのでも本質的にその作業が好きな人が多いなと思って。

奥平:そもそも15歳でそういう進路を選んでいる時点で普通じゃないわけですよね。

渋谷:そういうことです。そこが一番大きくて。好きなものをやっているので探求心があったりいろいろなことを学んだり。本当に好きでやるということは大事なんだなって。そういう意味で高専生って貴重だなと思います。

奥平:でも今高専に取材に行くと、駅から遠いのでタクシーに乗ると運転手さんが「この前も〇〇会社の人乗せましたよ」って話していたりします。今就職で引く手あまたなんじゃないですか。

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渋谷:そうなんですよ。

奥平:そこでスタートアップとして採用はできているんですか?

渋谷:できていますね。僕もTwitterでつぶやいたりしているんですが、高専生たちが僕らのことを知ってくれるようになってきて。毎年インターンシップも多く、今年も新卒が入社しましたし、おかげさまですごく来てくれています。

瀧口:高専生の星ですね。

渋谷:いやいや(笑)。

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