「ミレービスケットを知っていますか?」と東京で聞いてみると「知らない」という回答が多いよう。
同じ質問を高知県で聞いてみると「知っている」「3日前に食べた」「高知のソウルフード」という答えが。高知県では老若男女問わず、なじみの菓子でした。
高知市内にある「野村煎豆加工店」。ミレービスケットは、この小さな工場で、60年以上、ほぼ同じ製法で作られています。ビスケットを油で揚げて、味付けにはたらいに塩を一振り!これで完成。
ビスケット自体は、素焼きされた状態で愛知の食品メーカーから仕入れており、ここでは、それを揚げているだけ。同じメーカーの素焼きビスケットを揚げて、販売している会社は他にもありますが、なぜか野村のミレーだけが、特に売れています。そのワケは・・・
「元々豆菓子のメーカー。豆を揚げて、その油をこのミレーに使ったのが始まり」と戸田祐一常務は話します。実は、独特の風味は、油に残った豆の香りだったのです。
しかし、そのおいしさが人々に受け入れられるには、かなりの時間がかかりました。
ミレービスケットが誕生した1950年代に流行したのは、チョコレート菓子やキャラメルなどちょっとぜいたくな菓子。ミレービスケットはほとんど売れず、動物園に餌として売っていたことも。
ところが次第にこの素朴な味わいが受け入れられるようになり、地元、高知では誰もが知る菓子になりました。
そして2007年、全国のバイヤーが集まる展示会へ出展すると、素朴さが人々の目に新しく映り、全国のコンビニなどにも置かれるようになりました。
今では、7割以上が県外へ出荷しており、キティちゃんとのコラボ商品や、トリュフ風味などその数60種類以上。売上高はおよそ16億円と、2014年から5年で3倍になりました。
ミレービスケットに見るロングセラーの極意を野村煎豆加工店 野村有弘専務は「まじめに考え、まじめに売り、まじめに取り組んでいたら、だんだん生産量がふえてきました」と語ります。
この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2019年5月2日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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