2019年3月17日。広島市内で「世界一長~いバウムクーヘン」作りが行われ、20メートル87センチのバウムクーヘンが、ギネス世界記録に認定されました。

しかし、なぜ広島でバウムクーヘンなのでしょう?

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老舗洋菓子メーカー「ユーハイム」の創業者、ドイツ人のカール・ユーハイムさんは、第一次世界大戦で広島へ捕虜として連れてこられました。捕虜生活の中、1919年に捕虜が作った物品を展示するイベントが広島県物産陳列館、現在の原爆ドームで開かれました。ここでカールさんは日本で初めてバウムクーヘンを製造・販売し、好評を得ます。

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捕虜生活から解放されたカールさんは、日本で菓子を作り続けることを決意。1923年、神戸市内に菓子店「ユーハイム」を出店しました。ところが、店が軌道に乗ってきたところに、今度は第二次世界大戦が勃発。混乱の中、カールさんは病に倒れ、1945年8月14日、終戦の前日に亡くなってしまいます。

そんなユーハイムを救ったのは、戦前に店で働いていた職人たちでした。戦地から焼け野原となった神戸に戻ってきた彼らは、カールさん亡き後のユーハイムを復活させると誓ったのです。

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材料は、厳選された卵とバター、砂糖、小麦粉。その比率は2対1対1対1と、昔から変わりません。

「人間の都合に合わせず、素材の都合に合わせて作る」というカールさんの教えを今も忠実に守りながら、添加物を加えず、昔ながらの製法で作っているといいます。

「『古くして新しきもの、永遠(とわ)に栄える』。これを実行するとロングセラー商品につながる」と、ユーハイムの河本武会長はロングセラーの極意を教えてくれました。

この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2019年5月1日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

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(C)テレビ東京

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