「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

数多くのスタートアップを支援するリバネスグループの丸幸弘CEOは「研究者と産業界の橋渡し役」を自認する。研究は「労働」ではなく「活動」。好きな活動に没頭するための手助けをするのが同社のスタンスと言い切る。日本のモノづくりのイノベーションをいかに活性化させ、長く活躍し続ける企業を育てるか。丸流の処方箋を聞く。

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スタッフ:カメラ回ってます。

全員:(笑)。

瀧口:そうなんですよ、この番組。たまにこういう不意打ちがあって。

丸:すごいな、これが『日経STARTUP X』ですね(笑)。何でもありですね。

瀧口:丸さん、先ほど気づいてしまいましたが、こちらのマグカップ。会社のステッカーを貼っていただいて。

丸:これは何ですかね(笑)?

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瀧口:いつの間にかリバネスと『日経STARTUP X』のコラボが実現していて。本来の社名は「Leave a Nest」なんですね。

丸:リバネスってカタカナでいうと意味がわからないんですが、実際の英名表記は「Leave a Nest(=巣立つ)」なんです。「Leave a Nest」って10回くらい言ってみてください。

瀧口:リーブアネスト、リーブアネスト、リーブアネスト・・・・・・リバネス。

丸:ほら、リバネスになった。

瀧口:なるほど(笑)。そういうことですね。

丸:つまり会社の概念がそのまま社名になっています。「巣立つ」ってすごく良いイメージじゃないですか。「何を巣立たせたいんだっけ?」というと、一番最初に自分自身が巣立つ場所を作ろうと。大学院生の時に会社を作ったので、自分たちがちゃんと活躍できることが社会に還元することにつながるんだ、というのが一つ。もう一つは子供たちの教育をやっているので、子どもたちが巣立つような仕組みを作る。最後はスタートアップの巣立ちを応援しようと。

なのでやっていることはたった一つなんです。どうやったら物事が巣立っていくか。大企業が新しいプロダクトを巣立たせたい。これも手伝っています。結局、物事は巣を離れていって新しい概念が広がった時に結果としてイノベーションが起きる。イノベーションを起こそうと思ってやっている会社は駄目ですね。結果論なんです。たった一人の人が熱を持ってプロダクトを作り、これが絶対世の中をよくするんだと言って巣を離れて広がって、みんなが「そうなんだ」と言い出すようになる。結果としてこれが「イノベーション起きたよね」ってことになる。概念としてリバネスですね。

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(センターオブガレージにて)

丸:この奥にもまだあるんです。

原:秘密基地みたいですね。

瀧口:なんだかワクワクしますね。

丸:何が出てくるかわからないみたいな。

瀧口:かわいらしいポスターがありますね。「INUPATHY(イヌパシー)」と書いてあります。

丸:犬が出てきたらびっくりしますね。確認してみましょう。(ドアを開けて)こんにちは。

瀧口:失礼します。

丸:犬はいなかったですね。ワンちゃんがワーって出てくるのかなって思いましたが(笑)。

瀧口:(犬の模型を見て)何かを背負ってますね。これは何でしょうか?

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(ラングレス代表取締役CEO・山入端佳那)

山入端:これはINUPATHY(イヌパシー)というワンちゃんの心の状態を読み解くためのデバイスです。

瀧口:どういう仕組みなんですか?

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(ラングレス代表取締役CTO・山口譲二)

山口:毛皮の上からでも胸のベルトで犬の心拍をとれるセンサーを開発しました。音ってたくさんノイズ情報が入ってくるんですが、それを新しいノイズフィルタリング技術で心音以外を取り除く。心拍っていろんな情報が隠れていて、落ち着く時はゆっくり、動く時は激しくなったり。そのリズムの変化からできるだけ多くの情報を読み解きます。

原:これは今どういう状態なんですか?

山入端:水色はハッピーな状態、白色は集中している状態です。緑はリラックスしている状態。

丸:(僕は)ずっとリラックスしているってことですね(笑)。実は人への研究も始まっていて、赤ちゃんって何を考えているかわからないじゃないですか。だから直接皮膚に付けなくてもピンマイクを付けるような形で人の自律神経、交感神経と副交感神経の関係性が見えると面白いねと。そういう研究をもう始められています。