「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

注目の起業家が輩出している東大のサークル「スポーツ・ラバーズ・アソシエーション(SLA)」。学生時代に築いた絆ならではの強みが独自の人脈力を発揮している。目先の"現世利益"を求めないゆるさ、裏切らないという信頼感がその源にある。ベンチャースピリットが受け継がれていく秘密を中核メンバーのビザスク・端羽英子社長とフィナテキストホールディングス・林良太社長の2人が解き明かす。

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瀧口:今回はフィナテキストCFOの伊藤(祐一郎)さんに来ていただきました。

奥平:実は今、我々はフィナテキスト社のオフィスにお邪魔しております。

伊藤:急きょ来ちゃいました。

瀧口:ありがとうございます。ちょうど前回伊藤さんのお話が出ていて、(林さんから)たびたびスカウトされたということですが。

伊藤:そうですね。数十回スカウトされました。

林:嘘です(笑)。3回くらいです。

伊藤:体感としては数十回くらいですね(笑)。

瀧口:その時の印象としてはどうでしたか?

伊藤:もともと林がフィナテキストを創業した時から、「新しいことやろうと思っている」という相談を受けていて。その時はまだベンチャーも流行っていなかったし、「フィンテック(金融『Finance』と技術『Technology』を組み合わせた造語)」という言葉もなかったので、「絶対うまくいかないから辞めたほうがいいよ」と言ってました。

瀧口:それはいつ頃ですか?

伊藤:2013年です。

林:よく覚えています。僕が昔住んでいた中目黒の家で。

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伊藤:大学時代に会社みたいなこともやっていたので、林の家でその時のメンバーと一緒に飲みながら話そうというのを何度かやっていたんです。

林:伊藤君は我々の一番最初のプロダクトの企画会議の時に、夜の11時くらいから呼び出されて「お前金曜日なんだから来いよ」って。結局朝までつき合わされるという。

端羽:来ちゃう時点でこういう運命は決まってたんだね(笑)。

瀧口:来る時点で好きですよね(笑)。

伊藤:僕はもともと投資銀行で働いていたのでいつも明け方まで仕事していたんですけど、金曜日だけは夜10時、11時に帰れるんです。でもそこを見計らって電話がかかってきて「お前暇だよな、ちょっと飲みに行こうぜ」って。行くとそこから朝の5時くらいまで。ただその時に話したプロダクトが世の中に出ているのを見て、「すげぇ」と思いました。こうやって話したものがアプリになってプロダクトとして出て、世の中の人が使っていて、新聞にも載っていたりしてすごく面白いなと。そうやって新しいものを作るところを少しだけかじらせてもらいました。

瀧口:間近で見ていたわけですね。

伊藤:ただその時はまだ会社も小さくて僕が出来ることもなかったんですけど、そこから2年くらい経って、徐々に会社が大きくなって、ちょうど会社の売上が伸びた時の数字を(林さんが)持ってきて、「こんなに大きくなってるんだから今入るしかないよ」と言われました。「一人じゃできないからお前も一緒に手伝え」と。たしかに「このフェーズだったら楽しいな」と思って入れていただいたんですけど、実際ふたを開けてみたらその売上が3ヶ月分だけの数字で・・・その後ガクンと落ちていて。「全然話が違うよ!」って(笑)。

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全員:(笑)。

林:そこは金融マンなのでうまく・・・(笑)。

奥平:そういう話だと起業がすごくハードル低く感じると思うんですけど、SLAの活動としては実際、後輩の方に話を伝える場面というのはあるんですか?

林:そうですね。伊藤君のエピソードはよく話しています。

奥平:鉄板ネタとして(笑)。

林:ほとんど本当の話で、ほぼそのままなので。そうするとハードル低いよね。

端羽:こういうハードル低いストーリーをなんとなくみんなが共有して、起業する人が増えたらいいなという飲み会がありますね。

奥平:それはSLAの基本活動として。

端羽:はい。「スタートアップラバーズアソシエーション」の方の基本活動で、すぐに起業するわけではなくて、ゆるくキャリアを考える中で「起業を考えてもいいんじゃない?」みたいな会があります。