「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

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世界でゲーム実況の動画配信市場が拡大している。日本で注目されているのが、ゲーム実況動画を配信する専用アプリを運営するミラティブ。すでに配信ユーザーは100万人を突破。2019年に入って30億円超を新たに調達し、新機能の導入やテレビCMなどで市場拡大を目指している。ゲーム実況を実演してもらいながら、同社の赤川隼一代表取締役に新たな市場の創造に向けた戦略を聞く。

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瀧口:ではスマホで「エモモ」を作ります。

奥平:エモモって何でしょうか?

赤川:エモモというのはミラティブの上で動くアバターの名前です。「Emotional Modeling(エモーショナルモデリング)」の略です。

瀧口:アバターをエモモと呼ぶんですね。

赤川:これがエモモです。例えば洋服を着替えてみましょうか。適当にパーツを選んで、髪型を変えたり、髪の色も不良少女風に緑にしてみたり(出来ます)。

瀧口:これを作る時は自分に似せてもいいし、自分と全く違ったキャラクターでもいいんですか?

赤川:はい。今ボイスチェンジャーみたいなものも作っているので、僕が女の子のアバターを作って女の子の声でコミュニケーションを取ることもどんどんできるようになっています。

奥平:背景は決まっているんですか?

赤川:背景も自由に変えられます。

瀧口:このTシャツを見てください。「ありがとう 平成」って書いてありますよ(笑)。

赤川:早速令和Tシャツもあります。

瀧口:すごい(笑)。早いですね。

奥平:課金モデルも今後絡んでくるんですか?

赤川:アバターを買ったりする今まであったようなビジネスモデルが、ライブストリーミングと融合して進化している感じです。

瀧口:ではこの洋服やカバンのようなアイテムを買ってもらうようになるわけですか。

赤川:おっしゃる通りです。

瀧口:なるほど。でも皆さんこういうものって買うんですか?

赤川:昔はゲームを強くするために課金をしていたんですけど、最近流行っているゲームだとゲームの中の洋服だけで売り上げを上げていたりします。今世界で一番売れている『フォートナイト』というゲームは、全く強くならないアバターの洋服だけで、月に数百億円売り上げが上がっていると言われています。

瀧口:強くならなくても、おしゃれのために買うんですね。

奥平:在庫が必要ないので効率がいいアパレル業ですね。でもリアルな服を買うのと気持ち的には一緒ですよね。

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瀧口:そうですね。たしかにこの令和Tシャツ着せるとちょっとうれしくなります。

奥平:時代の先端を行っている感じですね。

赤川:例えば、先生がムカつくから数学が嫌いになることって多いと思うんですけど、同じ先生がアバターで自分の好きなアニメキャラクターの容姿で、同じ声で教えてくれて。それでテンション上がるのであれば人類にとってそれがいいと思うんですよ。そういうものがアバター経済圏やリアルタイムコミュニケーションに置き換えられていくという大きな時代の流れだと捉えています。