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瀧口:出村さんはいかがですか?今の日本のロボット業界どう見ていますか?

出村:自分は日本や世界の家庭用ロボットのコミュニティにいましたけど、そこで作られているロボットというのが原始的な家というか、未来の家じゃないんですね。古い家を対象にして作られたロボットが多いんですよ。その結果やっぱり無駄なものが多いなと感じました。あとデザインはみんなかっこいいロボットの戦闘アニメとかにあこがれがあって、ターミネーターやガンダムがエプロンを着て家事をするというようなロボットがすごく多いんです。

瀧口:全く真逆ですもんね。このかわいい感じと。

奥平:確かに昔は鉄腕アトムに影響を受けて、直近はガンダムですよね。でももうその時代ではないと。

出村:家庭用ロボですからね。子どもは怖がっちゃいますね。

奥平・瀧口:(笑)。

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出村:それで今「ガールズアートプロジェクト」という、ロボットと女性のアイデアを生かして、ターミネーターのようではない、家庭に入り込めるロボットを作るプロジェクトをやっています。

瀧口:それは女性から学んだ、例えばお茶を入れる動きなどをロボットに反映していくということですか?

出村:女性と男性だと見る視点が全然違うんですよね。アイデアとか知恵とか何これ、見たことないっていうのと、ガンダムとかにこんなのない?っていうのと完全に分かれて、こんな発想思いつかなかったというのがたくさんあるんです。そこから考えてみた結果、それが女性の感性なのかなと思って、何回か検証を繰り返したらやっぱりそうだということになりまして。今、開発を進めています。

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奥平:2035年に産業とサービスのロボットが半々になるということで市場が伸びていて、スタートアップでそこに向かうというのはいろいろとハードルがあると思うんですよね。スタートアップと大企業を比較していただきましたが、一方で量産やコストの問題、ビジネスモデルなどが課題だと思います。先ほどクリス・アンダーソンの「MAKERS」の話をされていましたが、彼は結局自分でドローンのスタートアップ始めましたけどうまくいかなかったんですよね。やはりハードはソフトに比べて難しいのかなということを思うんですけど、次のステップに行くために今どういう課題感を持っていらっしゃいますか?

出村:自分としてはロボットをビジネスモデルとして機能させるために、単体だと高いので他の異業種との連携が必要なんですが、大体異業種と価値観が違うし目標も違うので、お互いにお互いのことを知らないのでそこがまだ進んでいないなとは思います。ITだと連携が進んでますけど、ロボットだとその連携部分は原始時代レベルだと思いますね(笑)。

瀧口:なるほど(笑)。長安さんいかがですか?

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長安:まずロボットを作るのはかなり難しいというのは一緒にいろいろな会社とやっていてすごく感じるところです。ロボットって要は要素技術の集まりで、カメラの技術だったり画像認識だったり。そこからデザインと、さらにビジネス面でいうと販売、サポート、メンテナンス、いろいろまざってくる業種なので、僕の考えとしては、メーカーはメーカーで作ることに注力してほしい。僕はメーカーではないので販売や活用の面でロボット業界を盛り上げたいと思っています。ソフトバンクさんくらい大きかったらメーカーと販売も一括でできますが、ロボットというのはこれからいろんな種類のロボットが出てくると。一つのロボットが大量に出回るというのは僕はないと思っていて。iPhoneみたいに一つが爆発的に売れたりはしない。お掃除ロボットでいうとルンバみたいな平面の床に特化するロボットもあるし、階段に特化するものもあるし、窓ふきに特化するものもあると。

いろんなロボットが今後出てくる中で、メーカーさんは売るのは大変だろうと。逆にユーザーさんもいろんなロボットがあってどれを選んだらいいのかわからないと。なのでその間に立つポジションが必要だろうということで自分が今います。結構物流ロボットということでアメリカと今やっているんですけど、中国ともやろうとしていて。中国のロボットって価格が安いんです。日本では100万円で売られているものが中国だと20万円くらいで売られていたり。それくらい安いので向こうのロボットをこっちに持ってきて広げるということを直近では考えています。

奥平:その場合、あの国はソフト開発にも力を入れていますし、AIも進んでいますから、日本で付け加えられる付加価値って何がありますか?

長安:やはり活用だと思います。ロボットは特にビジネスの場合だと現場現場でセッティングしなくてはいけないので、中国のメーカーが日本に来てやるよりは、現地のローカライズした企業がやる方が絶対に効率がいいということは向こうも認識しているので、そこで一緒にできたらと思っています。

瀧口:現場で活用する時にチューニングを行うということですね。今後ますます楽しみですね。

奥平:期待したいと思います。

前編はこちら:孫氏に続け!ロボ共生時代を拓く若手起業家~日経STARTUP Xテキスト~

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