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奥平:それで大学に入ってから資金調達されて。

長安:はい。

奥平:会社を作られたのは高3の時?

長安:そうですね。

奥平:会社を作ると言った時「受験しろ」みたいな話にはならなかったんですか?

長安:中学生の頃から起業したいという思いはあったので、高校を選ぶ時にも大学にエスカレート式で行ける所を選びました。サッカーで選べたので行きやすかったんです。なので受験の期間に時間ができて、高校生の間に本を読んだりイベントに参加したり、全くなかったロボットやビジネスの知識を得て、起業しました。

奥平:起業する時って、高校生はどこに連絡するんですか?

長安:僕の場合はすごく環境が良くて、TSUTAYAと関西大学がやっているスタートアップカフェというのがあって、そこが無料の士業さんを用意しているので行政書士の方に相談してスムーズに起業しました。

奥平:そこが相談窓口になったと。

長安:そうですね。

奥平:ご両親は応援されていたんですか?それとも反対されたんですか?

長安:設立の時に親のサインがいるので、そこで始めて起業するって話して。

奥平・瀧口:(笑)。

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奥平:そこで初めて現実的な話に(笑)。そして出村さん、もっと激しいパターンの方の話を(笑)。大学に進学する気はさらさらなかったんですか?

出村:もともとはありました。中学3年生の時にそれまでずっとロボットをやっていて国際大会にも出場しましたけど、その後受験シーズンになるじゃないですか。それで学校で職業を調べようという授業があったんですよ。

奥平:最近ありますよね。進路を考えようという授業。

出村:それで自分の性格をもとにした適性診断みたいなものを調べる施設があるんですけど、ロボットの職業って当時出てこなかったんですね。

瀧口:出てこないんですか。

出村:出ません。ここまでお年玉を全部使って毎日四六時中ロボットを作って家の中ロボットだらけなのに、それで仕事ないんだって思って。なんかないのかと思ってたんですよ。その時ちょうどクリス・アンダーソンという方が書いた「MAKERS」という本を読みまして。これにはエンジニアの方が、昔は起業したり自分のプロダクトを作ったり販売するのが大変だったけど、今は簡単に起業してプロダクトを売ることができる時代ですよ、ということが書いてあったんです。それを読んで、ないんだったら仕事を作ればいいやと思って。ロボットで仕事を作るのはどうしたらいいんだろうと考えて、ロボットのベンチャー企業を設立しようと思いました。それに合う最適な環境を調べていた時、候補に上がったのがMITメディアラボというのが当時すごく話題になっていたので、それにすごく興味を惹かれて。研究費が無限に使えるということが言われていて、本当かどうかはわからないですけど。

奥平:伊藤穰一さんが苦労しているからですよ(笑)。

出村:もしMITメディアラボに行くならどうしたらいいんだろうと考えた結果、県内で唯一理系の研究ができる高校があったんです。スーパーサイエンスハイスクールというものなんですけど。

奥平:それこそそんなに偏差値高い高校だったらみんな進学を考えるわけですよね。

瀧口:MITも視野に入れていたわけですしね。

出村:たしかに入学当初はMITに行きたいという目標を掲げて書いた記憶がありますね。ただ入ってみるとそんなに研究が自由にできる環境でもなかったんです。入ったクラスの中でみんな足並みそろえてやるという状況で。こんな足並みそろえて研究者が生まれるかよ!と思って。

奥平・瀧口:(笑)。

奥平:孫さんの財団もあるし、大学行かなくてもやりたいことはできると。

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出村:それを特に感じたのはシリコンバレーに行ってからですね。

奥平:それはどういう経緯で行かれたんですか?

出村:その高校は3年生になる時にちょうど辞めまして、日本初のスマホで通える高校というのがあって、そこに転校して。課外活動を重視するという方向にシフトしたんです。

瀧口:向こうではどういう経験をしたんですか?

出村:起きてロボットを作ってプログラミングしてという感じで、一言では言い表せないんですけど、大学に行く行かないの話につなげるとしたらCESという電子機器の展示会があって。

瀧口:奥平さんがいつも取材に行かれていますね。

出村:あれで結構有力なプロダクトを出しているところが意外とシリコンバレーじゃなかったんですよね。

奥平:なるほど。アワードを取っているような製品ということですよね。

出村:そうです。それとちょうどそこの企業のCTOの方が高専卒なんですけど、高専ってアメリカだと準学士で学位認定されず中卒扱いになってしまうんですけど、Googleとかからスカウトが来ているという実情を目にしまして。その二つを見た結果、シリコンバレーという権威が、大学行くとかあまり関係ないところなのかもしれないと思いまして。そうじゃないと研究できないということもないなと思いまして。それならよく考えたら行く必要あるかな、さっさと起業しちゃおうかなと。ちょうどシリコンバレーに行った時に良い感じのプロダクトもたまたまできたので、起業しました。