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奥平:資金的には外部から大きな調達をしなくてもいわゆる前払い制でなんとか事業は回ったと。でも出た後がたしか大変だったんですよね。どちらかというとおそらく新聞社の経済部よりは社会部受けの話がたくさん出たじゃないですか。最初は、技適ですか?

中澤:そうですね。

奥平:技適ってわかりますか?

瀧口:わからないです。

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奥平:技術基準適合証明。電波を発する機種を日本で使ってもいいよと総務省がお墨付きを与えるというもので、後ろにマークが入っているんです。それを取り忘れた?

中澤:取り忘れたのではなく、番号が違っていて。このままでは電話をしていただけないという番号になってしまっていて。

奥平:インターネットは使えたんですか?

中澤:インターネットは大丈夫だったんですが、みなさん電話機として買われるので電話されますよね。そういうカテゴリーで売っている製品で番号の取得ミスというのは、たまに他のメーカーさんでもあるみたいなんですが、とにかく最初のお客様の手に届き始めてしまった段階で気付いて。初めてのことでそんなふうになるか、というミスを起こしてしまいましたね。

奥平:結局製品は回収されたんですか?

中澤:いえ、本当に最初のお客様だけだったので、そのお客様に直接ご連絡させていただいて、技適の番号を変えてお戻しさせていただきました。

瀧口:原因は何だったんですか?

中澤:試験自体は終わっていたんですが、レポートを出す申請書に書く番号を中国側の工場と日本側の検査機関が間違ってしまったということが原因でしたね。

奥平:それは2015年の話でしたっけ。

中澤:2015年の9月です。

奥平:翌年にスマートフォンの発火がありましたね。

中澤:発火ではないですね。

奥平:ご説明いただけますか。

中澤:発火はしていないんですが、電池が熱を持ってしまって溶け出してしまって。そちらは電池のみリコールをさせていただきました。同じ機種ではなくて新しい機種の電池に問題があるということがわかったんです。

奥平:もう一つは4Kディスプレイのスペックの表示が違ったと。

中澤:はい。優良誤認だと消費者庁から指摘が入りまして。リフレッシュレートという画面を書き換える速度の表示にミスがありました。お客様がこれを勘違いして、そのスペックがあると思って買うと満足していただけないので、そのせいで儲けたということに値しますよという指摘をいただいて。調査していただきました。

奥平:電池の問題、ディスプレイの問題があった時に当然そちらの処理にフォーカスしないといけないし、本来出せるべき新製品も出せなくなったり、当然資金繰り的にも厳しくなりますよね。そこは結構シビアな局面だったのではないですか?

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中澤:ものすごくシビアでしたが、ディスプレイとスマートフォンの電池の問題の横でバイクが好調に売れているという絵が描けていたので、ぎりぎり食いつなぐことができた感じですね。

奥平:バイクで入ってきたお金でそちらの資金もカバーしていったと。

瀧口:ポートフォリオをちゃんと描けていたから乗り越えられたんですね。

奥平:これ単品だったら倒れていた可能性もありますよね。

中澤:無理だったと思います。

瀧口:同時に商品を走らせるのって大事なんですね。こういった一連の流れを受けた後に体制を変えたり見直した部分はあるんですか?

中澤:外部にお任せしていた部分はあったんですが、それをもう少し自分のところに引き戻して確認をしたり、技術に長けている方々にも、一組ではなくて何組か聞くようにしたり。もちろん消費者庁さんとも話をして、こうしたらもう少しリスクを回避できるようになりますかね、と相談しながら体制を組み直していった結果、今に至る感じですね。