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瀧口:そこから会社を立ち上げられたと思うんですけど、家電を選ばれたのはなぜですか?

中澤:秋葉原のヨドバシカメラに行ってみて、格安SIMコーナーに行った時「やっぱり格安SIMならって廉価版だよな」って、私も商品企画の立場から思うわけです。今までガラケーもスマホも何でもかんでも詰め込んで複雑怪奇だった機能を1個取り出して、カメラだったら私も作れるんじゃない?って思ったんです。1個取り出してテレビとか。スマートフォン自体はすごくシンプルなものだったので、他の取り出した機能を一つ一つ分解して製品にしてみるってことをしてみたら、それぞれもっとシンプルに面白いものを作れるんじゃないかと当時は考えて作りました。

奥平:例えば回路設計の人とか設計図引く人とか、作ってくれる工場を探すとか、品質管理をするとか、その辺の外部のネットワークはカシオ時代のものが応用できたんですか?それとも新規で探さなきゃいけなかったんですか?

中澤:新規で探さなきゃいけないことも多かったですし、Cerevoさんに一緒に探してもらったり。

奥平:岩佐さんと一緒に中国行ったんですか。

中澤:行ったんですけど、放置されましたね(笑)。

奥平・瀧口:(笑)。

中澤:とにかくここから先は自分でやれって言われて、中国の人たちと話したこともないのに、あとは行ってこいって。そんな感じではありましたけど。

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奥平:でもなんとか商品が出せるようになったと。会社作るときに資本金は全部ご自分で出されたんですか?外部からの出資を仰いだんですか?

中澤:資本金自体は100万円なのでそれほど大きなものではなくて。ものを作るという段階で、売り場は一部決まっていたんです。今はもうなくなっちゃったんですけど、DMMさんのDMM.storeっていうECサイトの立ち上げと同時に製品数がたくさんほしいという話も一つフラグとしてあって。そこで何製品かあったら何個買うよという話があったので、当初はこれくらいの売上があって、このくらいの時期に入金があってというのを考えながらスタートできました。ものをまだ作っている最中だったんですが、発表してみたら、ビックカメラさんや蔦屋家電さんから、発表当日に思いがけず量販店さんからうちでも売らせてほしいって連絡をいただいたんです。そこで作る量をもっと多くしなくちゃいけないんじゃないのという話になり、そこから種類も増やし増産することになりました。2015年8月6日に発表したんですが、その日から今まで考えていたことの倍くらいの市場になりましたね。

奥平:先立つ資金はどうされたんですか?

中澤:先に前金としていただきました。

奥平:じゃあものすごく恵まれた条件でできたわけですね。

中澤:そうです。2015年だと私たちみたいなスタートアップの製品を家電量販店に置いたりネットで売ったりということがまだ一般的ではなかったんです。今だとAmazonさんでもスタートアップ用に特別なプランがあったり、会社の紹介まで書いてくださる特別なページがあったりして、ECで家電を買うことが2、3年前よりは当たり前になってきているんですが、当時はスタートアップの製品を家電量販店に置いてもらう口座を開設することすらできないんじゃないかというところからスタートしていて。私も過去メーカーの営業をしているので商流というのは理解していて。例えば量販店さんに入れるのであれば定価の6掛けで入れないと入らないよなって思うとものを作れなくなっちゃうわけです。なので難しいだろうなと思っていて。でもネットでの直販というのを考えられる時代になり、売ることに対して少しハードルが下がったかな、というところでスタートしたんです。

瀧口:なぜ量販店の目に留まったと思いますか?

中澤:私もなんでだろうと思っていたんです。でも話を聞いてみたら、今はとにかく店頭にお客様が来にくい時代になっていると。ウインドウショッピングでいいからまずはお客様に来てほしいと。一生懸命説明してくださる販売員さんがたくさんいらっしゃるじゃないですか。ああいう人たちの力を発揮する機会すらない状態になっている。なのでとにかくお客様を集められるような話題のものや、ブースを作れるものが欲しかったと言われました。