奥平:数十年先の話に至近の話で申し訳ないんですが、利益で言うとずっと黒字を出していたのが、直近は赤でしたよね。これは何で赤字になったんですか?

中村:僕たちは新規事業への投資を果敢に行っていますが、やはり去年の場合は新規事業をやりすぎたというのがあって、それが重くのしかかって赤字になったというのが一つあります。ただ赤字が悪いことだとは思っていなくて、その中でやっていた新規事業、スマートライフ、蓄電池ですね。いわゆる家庭用の蓄電池というのと、自家消費モデルというのが去年前期立ち上げたものが、前期は売上には貢献しなくてむしろ赤字に足を引っ張ってしまったんですが、今期は売上の部分に大きくプラスの影響を出してくると。

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奥平:ある種意図して作った赤字、先行投資の赤字という理解でいいですか?一方スタートアップでは珍しくこれまでずっと黒字基調でしたよね。なんとなく黒をずっと作って早くIPOしたいのかなと思っていましたが。

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中村:それは意図したものです。今電力自由化が始まってマーケティング費用というのもどんどん増やしている状況の中で、前期というのはマーケティングと新規事業の立ち上げで意図して赤字にしました。おっしゃる通りIPOを意識はしているんですが、IPOってやっぱり僕たちが考える以上に企業の責任というのが重たいと思っているんです。すごく公のものになって来るので当然いろんな人から見られるのもありますし、いろんな人から当社の株を買ってもらえるということもあると思うんです。

その中で僕たちのガバナンスであったり、コンプライアンスがあったり、もしくは僕たちの信用性というのはIPOに足るものかどうかはいつも自問自答しています。今やっとメンバーもそろって会社を移転して会社のフローも出来始めているので、そろそろIPOを真剣に考えなきゃいけない時期に来ているなと思っています。

瀧口:大体IPOの時期はどのくらいのスパンで見ていらっしゃるんですか?

中村:それは僕たちが決めることというよりも東証さんであったり幹事証券だったりと話し合って決めることなので、今いつです、とは言えませんが、自分たちが上場するに足る会社になれた時にしっかり上場して、みんなに信頼されて株を買ってもらいたいなと思っています。

奥平:これ中部電力から資本入れられたのは10億円でしたっけ。金額は公表していないんでしたっけ。

中村:言ってないです。もっと(多い)です。

奥平:これは失礼しました(笑)。他その株主としてベンチャーキャピタルの出資というのはどうお考えですか?

中村:もちろんベンチャーキャピタルからも出資をいただいていて、面白いところだと台湾のベンチャーキャピタルからも出資をいただいていたりとか、三菱さんから出資をいただいたりとか、アイモバイルさんというふるさと納税をやっているベンチャー企業からも出資をいただいたり。いろいろな所から出資いただいています。

奥平:結局ベンチャーキャピタルのお金が入ると、彼らは当然8年とかそれくらいのサイクルで回収しなくてはいけないので、IPOしなさい、もしくはどこかにM&Aされなさいというプレッシャーがかかりやすいと思うんですが、なさろうとしている事業の話を伺っていると、どうも8年とかじゃ回収できないんじゃないかと思うんですよね。

中村:実はベンチャーキャピタルからIPOしなさいということを言われるわけですよ。いやいや、まだあれなんで、もしあれでしたら株買い取りますって逆に言っちゃうんですね。買わせてくださいっていうといやいや、まだ持っています、ということになるんです。なので、すごくLooopのことを評価していただいてIPOもしてほしいなと思ってくれてると思っているので、特にそのプレッシャーというのは感じないです。

奥平:じゃあ必ずしもIPOしなくても、また次プライベートで資金調達して前編で伺った低コストでパネルを設置するオプションも今残してあると。

中村:もちろん。今その状況に応じて日本のマーケットの支給環境というのも考えなくてはいけないし、日本でIPOというよりも海外でのIPOというのも視野に入れながら色々なパターンを考えています。ただ僕自身がやっぱり日本に帰ってきて会社を作った時に、日本に貢献したいと考えたので、やはり日本での上場というのを第一に考えています。

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瀧口:いろいろな経営者の方がいらっしゃいますが、憧れたり目標だったりする経営者の方はいらっしゃいますか?

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中村:僕自身がすごく自分と考え方が似てるなと思っているのが、アメリカのテスラをやっているイーロン・マスクで、いつか会いたいなとは思っていますね。言っていることや考えていることがすごく似ていて、これは僕が勝手に思っていることですが、彼は若い頃にフリーマン・ダイソンという方が書いている本を読んで育ったんじゃないかと思っていて。

僕もダイソン博士が書いた本を読んで育っているんですが、書かれていることの発想や思想がすごくイーロン・マスクの思想とすごく近いんですね。なので確実に僕は読んでいると思っていて、そういった話をしに行きたいなと思っています。

瀧口:どんなことが書かれているんですか?

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中村:彼が書いた中で一番代表的な本が「全方向に無限(Infinite in All Directions)」だと思います。人類は全方向に発展していくべきだ、と。そのオプション的なことが火星への移住。地球の外に行くことであり、それ以外だと哲学、考え的なことを発展させるということもあるし、寿命を延ばすことも考えてるし、エネルギーをフリーにするということも書かれているし、AIが人間を変えていくということも書かれているし、DNAの改変ということも書かれているし、いろいろなことを全方向に無限に広がっていくいことがホモサピエンスに与えられた使命なんだ、とその本に書かれていて。

僕は中国の大学に行っている時にその本に出会って感銘を受けたんですが、たぶん同時期にイーロン・マスクも、同じ年頃、20代前半でその本に出会っていると思っています。でないと彼のテスラをやったりソーラーシティをやったり、スペースXをやったりという発想には至らないと思います。

奥平:イーロン・マスクに会うには起業家として語り合うか、宇宙旅行の客になるという手もありますけど(笑)。

中村:(笑)。僕は月に行くよりも月でパネル工場を作ってイーロン・マスクにパネルを売りたいですね

奥平:なるほど(笑)。

中村:月にパネル工場を作るじゃないですか。そうするとたぶん地球から重力に逆らってロケットを飛ばして運ぶよりもはるかに低コストでパネルの供給ができるはずなんですね。そうすると月旅行というよりも月に街や都市を作りますという話になった時に、そこのパネルで作ったエネルギーで月は成り立っていくはずで。僕はどちらかというとそっちがやりたいですね。

奥平:その話がまとまった暁にはこの番組で発表していただくということでよいでしょうか(笑)。

中村:ぜひ。よろしくお願いいたします。

瀧口:イーロンさん連れてきてください(笑)。

中村:イーロンと月でのパネルの供給が決まりました!握手!みたいな。それやりたいですね。

奥平:それをカメラの前でぜひ。

瀧口:ありがとうございました。