「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。
電気料金の「無料化」を掲げるLooopの中村創一郎代表取締役社長。中国に留学し、現地でビジネス経験を積んだ。約13年間にも 及ぶ中国生活のきっかけはレアアースの輸入を手掛ける父・中村繁夫氏(アドバンストマテリアルジャパン社長)の『画策』だったという。企業に至る波乱万丈の軌跡、そしてミライの大きな夢を聞く。
瀧口:すごいですね。これは中国茶ですか?
中村:そうです。僕は中国に13年間住んでいたんですが、すごく中国茶が好きでして、ずっと中国茶を飲んでいます。
瀧口:ありがとうございます。いただきます。社長にお茶を入れていただくという(笑)。
奥平:珍しい光景ですよね。
奥平・瀧口:おいしい。
中村:ありがとうございます。
瀧口:中国にいらっしゃったのはいつからいつまでですか?
中村:1998年から2011年の3月までなので、13年間中国に住んでいましたね。
奥平:そもそも中国にいらっしゃったのはどういう経緯だったんですか?
中村:話せば長くなるんですが、簡単に言うと親父に騙されて中国に行くことになったんです。
奥平:と言いますと?
瀧口:何があったんでしょう?(笑)
中村:僕は98年当時留学がしたくて、海外に行きたかったんです。
奥平:当時おいくつですか?
中村:19歳の時ですね。
奥平:では、高校を出られた後?
中村:高校は中退なんですが、大検を取って大学に行ったんです。大学に行ったんですが、どうしても日本の大学が肌に合わなくて。そりゃそうですよね、高校を辞めて日本の大学に行っても合うはずがないですよね。
奥平:そうなんですかね(笑)。なるほど。
中村:どうしても日本の大学が合わなくて、海外に行きたいということをずっと親父にアピールしていまして。僕は当時イギリスに留学したくてイギリスのことをいろいろ調べていて。大学2年生の時ですかね、親父が分かった、そこまで言うなら海外行かせてやると言ってくれたので、よっしゃと思いまして。「けどお前、全部親父に頼るのも情けないぞ、ちょっとくらいちゃんと稼げ」と言われたので、佐川急便で死ぬほどアルバイトしたんですね。で、半年ほど死ぬほど働いて100万円貯めたんです。
親父に「100万貯まったから留学させてもらえるよね」と言ったところ、「お前100万でイギリス行けるわけないやろ。1ポンドいくらか知ってるか?年間1千万かかるんやぞ」と。大体当時のポンド換算で700~1000万かかるんですが、「せめて半分は稼がなあかんで」と言うわけです。
しかし「創一郎、安心せよ、100万でも行ける国がある」と。それが中国だと言われて、本当に佐川急便の仕事も辛いし、早く留学したかったので「分かった。留学できるなら中国でもどこでも行くよ」と言って、親父に話したら「よっしゃ、分かった。わしが全部段取りそろえたる」と。段取りがすごく早かったんですよね。仕組まれてた感じ。3日後くらいにお前いつ渡航するんだ、という話になって。そのまま北京語言大学の試験を受けて、次の日に合格って言われました。
瀧口:早いですね(笑)。
中村:ほんまかいなみたいな。そして北京の語言大学に留学することになりまして。家も全部用意されていて、親父の中国の友人であるレアメタル業界の重鎮の家に住むことになりまして。
瀧口:なぜですか?