ファッションの一大イベント「ミラノコレクション」。イタリアを代表する高級ブランド「サルヴァトーレ・ フェラガモ」のショーでは、女性用の服と男性用の服が同じタイミングでランウェイに登場しました。

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ファッション業界では、通常メンズとレディースの服を別々に発表するのが常識。この異変の背景には2つの大きな理由があります。1つ目は、男女別々だったショーを1度に行うことで、費用を従来の半分近くに削減できる点。服のネット販売と競争の激化で、業界をリードする高級ブランドもコストには敏感になっているのです。

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もう1つが、性別を越えたブランドのアピールです。「来店する女性客、男性客に統一的なブランドのイメージを打ち出せていなかった。このショーで男女にとって統一された完璧なライフスタイルを提案できる」と、フェラガモのブランド総責任者、P・アンドリューさんは話します。

ファッション業界では、性別を意識しない価値観が世界的に広がっていることを受け、ここ数年フェラガモのように男女混合のショーを行うブランドが増加しています。2016年、最初にこの形式のショーを始めた「グッチ」は、男女を意識させない自由なデザインで大きな注目を集めました。デジタル分野での情報発信やオンライン販売も強化し、2018年は営業利益を前年比50%以上も伸ばしています。

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ファッション業界における「男女混合」の動きは、日本でも見られます。有楽町マルイは「ジェンダーフリーハウス」を期間限定で開催。「男性向け」「女性向け」といった区別をしないで商品を販売しました。男性でもはけるサイズのパンプスや、メークの体験コーナーも展開しています。

性別を気にせず、好きなファッションを楽しむ若者などのニーズを取り込みたいと考えているのです。マルイにとって初めての男女混合の売り場。予想以上の売れ行きに、手応えを感じているといいます。

この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2019年3月1日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

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