「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

電気料金を10年で半分に――。その先は「無料化」を目指し、「エネルギー問題から人類を解放する」という壮大な目標を掲げるLooop。東日本大震災を契機に太陽光発電事業で起業し、毎年着実に成長。2018年度の売上高はおよそ600億円を見込む。2018年9月には中部電力と提携。新電力戦国時代の中、どう戦うかを中村創一郎代表取締役社長に聞く。

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瀧口:今日は中村社長、よろしくお願いいたします。

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中村:よろしくお願いします。

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瀧口:景色がいいオフィスですね。

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奥平:こちらは上野ですね。下が不忍池。

中村:そこが上野駅ですぐ下が不忍池で、遠くに筑波山が見えるんです。このロケーションを見た瞬間に、ここに移りたいと思って、移ってきました。

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瀧口:Looopさんは日経のネクストユニコーン調査ランキングにも入っていらっしゃるということで、表示されているQRコードにアクセスしていただくとランキングも見られるようになっています。

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瀧口:ではお話を伺っていきますが、起業のきっかけはどういうものだったんですか?

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中村:2011年4月4日が我々の創業日なんですが、その前の東日本大震災がきっかけになります。当時僕は中国の上海に住んでいて、中国の僕のパートナーが日本は今、空前絶後の地震と津波によって大変なことになっているということで、そのパートナーがぜひ日本にソーラーパネルを寄付したいと言ってくれたんです。

ただそのままそのパネルを気仙沼や石巻に送っても、向こうの方たちは困ってしまうと思いました。混乱していて市庁舎も電話もつながらない状況と聞いていたので。だったらこれを僕たちが直接避難所に持って行って、電気が使えるようにしなくてはいけないと思って、配線の勉強をして石巻と気仙沼に行ったんです。

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中村:当時電気がつながっていなかった石巻の雄勝半島の避難所に設置をしたことが創業のきっかけです。その時にみんなめちゃくちゃ喜んでくれたんですね。電気が付いて子供たちが泣かなくてすむようになりましたと、後に手紙をもらったんです。その瞬間にこれはすごく良い仕事かもしれないと思いました。人に喜んでもらえるような仕事をしたいと思っていたので、当時中国で会社を経営していたんですが、日本に戻ってきて日本人に喜んでほしい、日本の復興のために役に立ちたいという気持ちで、Looopという会社を作りました。

奥平:きっかけは震災ボランティアだったんですね。

中村:そうですね。それが本当に自分の人生の大きな転機になりました。

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奥平:中国製の太陽光パネルを日本に輸入して、それを売るという商売を思いついたんですか?

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中村:そのパネルを単純に売ると言うよりも、発電所にして価値を出すことができれば売れるんじゃないかと思ったんですね。ちゃんと電気が発電できる状態で売る。それでDIYでできる『MY発電所キット』というものを売り始めたところ、大ヒットしまして。たくさんの人が欲しいと言ってくださって会社が一気に急成長しました。自分で作れる発電所というのがコンセプトです。

奥平:そのDIYキットは全部でどのくらい売れたんですか

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中村:トータルすると日本全国で2000ヶ所以上に設置されたんです。1キット12kWとかなんですが、たいていのお客様は5キット買われるんですよね。なので大体1万キットくらい売れていると思います。

瀧口:それは例えば手軽に屋根の上などに設置できるんですか?

中村:手軽ではないですが、設置することは可能です。

奥平:資料によりますと非常に売上高が伸びているということですが、直近でどのくらいですか?

中村:今のところ売上で580億円から600億円弱くらいまで今期はいくかと思います。

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奥平:それはキットの売上だけでそこまで行っているわけではないですよね?

中村:僕たちのビジネスモデルは2016年の電力自由化で大きく変わりまして、それまでは高圧、いわゆる50kW以上のお客様にしか供給できなかったんですが、2016年に一般の方への電力自由化が始まって一般のお客様にも電力を売れるようになって。

奥平:最近電力会社を選べるようになりましたもんね。

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中村:そこに2016年4月から参入することによって、今まではキットだけを売っていたんですが、キットで発電した電気も売ることができるようになったので、売上が2016年から急成長しています。2016年3月期で100億円、2017年で200億円、2018年で400億円、今期が600億円と伸びているというのは電力自由化の恩恵を受けていることもあります。