20190313_nikkei.jpg

芳川:毎週新しいメンバーが入ってきて、楽しいですね。

瀧口:ARMの傘下に入られて何が一番変わりましたか?

芳川:僕らみたいなシリコンバレーのエンタープライズソフトウェアのスタートアップだと、よくある買収先としてはいわゆる伝統的なソフトウェア企業、オラクルとかセールスフォース・ドットコムとかSAPとかが挙げられると思うんですが、ARMというのは少し毛色が違うわけですね。半導体の設計屋さんなので。

奥平:水平というか垂直型というか。同業を買うというよりは少し違うレイヤー(の企業)ですよね。

芳川:要は(ARMが)新しいビジネスをここで始めていくというところのコアとしての買収だったので、そういう意味で少し違ったんです。例えば他の大きなソフトウェア企業に入るとすでにマーケティングの機能があり、営業の機能があり、そこにプロダクトの一つとして入っていく。カタログに一つ追加されるイメージなんですが、今はARMの中でまたスタートアップをやっている感じがしますね。

ARMというこれまでソフトウェアのビジネスをやって来なかった会社が、ある種IoTという軸でソフトウェアのビジネスを一から立ち上げるというところのコアメンバーに呼んでもらったという側面が非常に大きいので。それこそ昔のことを思い出しながらやっていたりします。

20190313_nikkei.jpg

奥平:そもそもの話になりますが、ARMは先ほどから出てきているように半導体の設計図を書いて世界中の半導体の会社に売っている会社で、トレジャーデータはビッグデータの会社ですよね。私が一番初めお会いした時に(会社について)一番分かりやすく説明してくださいと言ったら、ビッグデータをクラウドに上げやすくするサービスを提供する会社だとおっしゃっていて。

芳川:そうですね。クラウドに上げて管理しやすく、という感じですね。もともとのコンセプトは今も本質的には変わっていません。ちょうど僕がアメリカに行った2008年頃景気はどん底で、テクノロジー業界ではみんな投資家さんが手を引いていたんですが、その時唯一投資が集まっていたのがビッグデータのスタートアップだったんです。

要はGoogle、Yahoo!に象徴されるような巨大なインターネット企業が、ありとあらゆるインターネットのトランザクションのログを取って、ユーザーの人となりを丸裸にしたりトレンドを丸裸にするみたいなものがユースケースとしてあったわけです。その基盤のテクノロジーって多かれ少なかれオープンソースのような形でいろんな人が使いやすい形になっていたんですが、ただソフトウェアを使えることとそれが運用できてユーザーとして役に立つかというのは別の話で。

システムっていろんなソフトウェアを組み合わせて作っていくわけですが、GoogleやYahoo!なら優秀なエンジニアもたくさんいるからできるけど、なかなか普通の会社はできないわけですよね。じゃあそこの難しいところ、HARD THINGS(ハード・シングス)って言葉流行りましたが、HARD THINGSを全部うちがやる、面倒な基盤の所を全部うちがやるから、お客さんにはとにかく一番大事なデータ解析そのもの、あるいはそこから生まれる事業価値そのものにフォーカスしてもらうようにしましょうと。

奥平:それこそオンラインでサインアップすれば、持っている多種多様のデータをトレジャーデータを通してAmazonのクラウドなどに上げて、それがトレジャーデータの画面から一目瞭然になると。

20190313_nikkei.jpg

20190313_nikkei.jpg

20190313_nikkei.jpg

20190313_nikkei.jpg

20190313_nikkei.jpg

20190313_nikkei.jpg

芳川:そうですね。基本的にまずみんなつまずくのは、データを収集してくる所なんです。データソースがあります。データが生まれる源はあって、データベースもあります。ただこれをどうやって整理統合してあげていくのか。そこでつまずくわけですよね。

そこのテクノロジーを僕たちがオープンソースで開発しました。「Fluentd(フルーエントディー)」というソフトなんですが、それをあげますと。主に当時はモバイルやインターネットのログが主でしたが、それをクラウドに上げてきて、すでにすぐに使える形にしてあるので、(お客さんは)入ってきたデータをすぐに解析し始めることができる。

瀧口:そのデータを解析するのはお客様ですか?

芳川:基本的にはお客様自身です。僕らもデータ屋なのでどうやってやったらいいかという技術的なサポートはいくらでもできますが、本質的にデータ解析ってお客さんの商売なんですよね。お客さんの商売は当たり前ですがお客さんが一番良く知っていて、僕らは縁の下の力持ちという形で、お客さんの事業と複雑なテクノロジーをつなぐ役に徹するということですね。