「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。
ビッグデータ分析のトレジャーデータ。2018年夏に英半導体設計アーム・ホールディングスによる6億ドルともいわれる買収提案を受け入れ話題となったスタートアップだ。共同創業者、芳川裕誠さんはビッグデータの分野で世界に挑戦するためシリコンバレーで起業する道を選んだ。
全員:よろしくお願いします。
瀧口:今日はシリコンバレーからお越しいただいたんですか?
芳川:今週日本におりまして。今週東京、来週は韓国に行きます。
瀧口:もしかしてこの収録のために来ていただいたんでしょうか?
芳川:半分そうですね(笑)。スケジュールは調整しました。
瀧口:ありがとうございます。ご調整いただいて。
奥平:今のお話を整理すると、普段はシリコンバレーにお住まいということですか。
芳川:そういうことですね。
瀧口:ほとんどシリコンバレーにいらっしゃるんですよね?
芳川:基本的には向こうに住んでいて、家族も向こうにいます。
瀧口:どうしてシリコンバレーで起業されたんですか?
芳川:もともとトレジャーデータの前に、三井物産のベンチャー投資ファンドで三井ベンチャーズという会社の駐在員としてシリコンバレーにいたんです。そのまま辞めてシリコンバレーでトレジャーデータを作りました。
瀧口:奥平さんとも長いお付き合いなんですよね。
奥平:今回調べたら2013年1月20日。その節はお世話になりました。
瀧口:その時はどんな記事を書かれたんですか?
奥平:Yahoo!創業者のジェリー・ヤンさんが出資をしたという記事でしたね。
芳川:そうですね。僕がやっているトレジャーデータはベンチャーキャピタルの会社から投資を受けて、それで成長していくというものですが、その前段階である準備期間のシードというステージをリードしてくれたのがジェリー・ヤンだったんです。
奥平:でもまさかそれから5年余りでARM、イギリスの半導体の設計、図面を売っている会社ですが、そこに買収されるという大ニュースが起きて。
瀧口:しかも660億円。
奥平:言っていいんですか?
芳川:僕からは言えませんが(笑)。メディアではそう報道されていますね(笑)。
奥平:日本人の起業という意味でも非常に稀有な成長を遂げられて、かついわゆるシリコンバレーの地元でもニュースになるようなM&Aで、空前絶後と言えるんじゃないでしょうか。
芳川:少なくとも投資家さんには損をさせなかったし、儲けていただいて。社員もみんなストックオプション持ってますし、金銭的、キャリア的にとりあえず(M&Aで)一旦区切りがついた。それは良かったなと思っています。またある種大きな資本の下で再スタートできたのはそれはそれでホッとしました。とりあえずゴールして再スタートしたところですね。
奥平:最初に伺ったのは前のオフィスの時で、比較的面積はあるけど端っこに机がポツンとあるような感じで。これは本当に埋まるのかなと思ったんですが。私去年の6月にも伺いまして。そろそろ買収されそうだという噂はあったので、一応看板の写真だけ撮って帰りました。(記事に)使えると思って(笑)。今は社員何人くらいいらっしゃるんですか?
芳川:今ARMになってファンクションに応じてレポートラインも変わったりするんですが、トレジャーデータのファンクションとサポートメンバーという意味では200数十名というところですかね。
奥平:本当に数人の会社が5、6年で200人超の会社になって。
瀧口:すごいですね。