瀧口:ダボスのヤンググローバルリーダーにも選出されましたね。
南:はい。ダボスという毎年世界経済フォーラムの会議が開かれている場所がありまして、40歳以下の方が毎回日本でも1人か2人選ばれるんですが、ヤンググローバルリーダーに数年前に選んでいただいて。そこでもグローバルな人的ネットワークが広がりました。
瀧口:どんな方とお話したんですか?
南:ディスカッションのテーマが多岐にわたるので、いろんなバックグラウンドの方がいて。日本の課題についてお話する機会があって、それを話した時にみんなすごく興味を持ってくれるんです。なんでこんなに興味を持ってくれるんだろうと思ったんですが、中国やインド、アメリカが今は世界の経済の中心なのかなということを僕のグループの仲間、いろんな国の仲間と話したところ、みんな日本は課題先進国だと言うわけです。
例えば少子化、高齢化、人口減少。絶対に他の先進国でも起こるんですよね。それを他の国に先駆けて課題が先行しているので日本がどういう手を打つのかというところに世界はすごく関心があると。日本にいるとそういう感覚ってないじゃないですか。どうしようって不安になるだけなんですが。
他の国からすると日本は本当に実験台になってるんだなと。なのでAIやロボットなどの新しい技術を使いながらこの少子化問題、高齢化問題、人口減少問題が解決されたならば、ある意味日本が先頭に立って世界に新しい技術やサービスを発信する側になるチャンスがあるんだ、ということに気付けた意味ではダボス会議の仲間に感謝しています。
奥平:先ほど今年で創業10年ということをおっしゃいましたが、片手を縛って結婚も封印してやってきたと。それがフェーズも変わってきて次の10年を見据えた時に、ビズリーチはどんな会社になって、ご自身はどんなことをされていると思いますか?特に海外を含めて興味あるんですが、いかがですか?
南:ある意味うちのビズリーチという会社はありがたいことに、多くの優秀な仲間たちが集まってくれてここまで成長してこれて、まさに数年前からこの準備をしてきたと思うんですが、この先も事業を作り続ける会社でありたいと。新しい時代の技術を活用して将来の課題に対して事業を作り続けるということが10年前から変わっていないことであって、事業を作り続けるということをこれからも絶対に続けたいですね。
あえてそれに付け加えるとすると、舞台を日本から世界に変えていきたいという、創業社長としての思いはあります。ただ世界で戦いたいから世界に出るのではなく、ちゃんと足腰を鍛えて自分たちの事業を通じてちゃんと世界の課題を認識したうえで、正しく価値を提供していきたい。これが自分たちでやっていきたいことですね。
10年後どういう姿になっているかわかりませんが、少なくとも今より事業が増えている。舞台が広がっている。そして何よりも社会に大きなインパクトを与え続けている。これが10年間で自分たちが実現していきたいことですね。
僕たちと同じ世代で生まれている会社、何社かお会いしていると思うんですけど、僕は本当に同士だと思っているんです。同世代の一つの塊の会社群だと思っていて。我々の世代で先輩たちと同じように社会に認められる、社会の常識になっていくような事業を、我々だけではなくて同じ世代の経営者の皆さん、ベンチャー企業の皆さんと一緒に日本をより面白く、アジアをより面白くしていくような事業展開をこの10年でしていきたいと思っています。
奥平:舞台を広げるにあたっての次の一歩は、近いタイミングで我々にも見えるようになるんでしょうか。
南:どうでしょうね。10年間楽しみにしていただけたら(笑)。
奥平:10年と言わずにもう少し早いタイミングでお願いします(笑)。瀧口:楽しみにしています。