瀧口:このカレーはどういうカレーなんでしょうか。

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南:経営者様からお悩み相談を受けることが増えてきまして。後継者である息子さんが東京に行ってしまい、帰って来ないことが決まったので、次世代の経営チームをどうしようと。事業の価値を未来へつなげていくために、ビズリーチさんはいろんな経営者さんとつながっているので、どこかうちみたいな会社を欲している会社を知らないかと。引き継ぐ後継者はいないけど事業は残していきたいので、良い買い手が東京にいるならばぜひお譲りしたいというお悩みをたくさん受けるようになりまして。これだけ何十万社が後継者不足による事業承継の問題で困っている中で、インターネットを使えば解決できるのではないかということで、一昨年ビズリーチ・サクシードという事業承継M&Aのプラットフォームを始めました。その中で出てきた、石川県でカレーを扱っているホットハウスさんです。

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奥平:せっかくなのでいただきましょうか。

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南:後継者がいなかったホットハウスさんのレストランを買い取り、そのレシピを使って横浜で2号店を出店させるという動きをお聞きして。であるなら他にもホットハウスさんのように素晴らしいカレー屋さんがあるのではないかということで、ぜひ(召し上がってください)。

奥平:美味しいです。無言になっちゃいますけど(笑)。

瀧口:すみません、いただきます。んー。美味しいですねー。

奥平:でも事業承継の現場を取材させていただくと、なかなか家業を手放すことに抵抗があるし、特にオンラインプラットフォームなんかには高齢化した中小企業が買ってほしいと登録することはないんじゃないかとおっしゃる方もいるんですけど、実際運営されてみてどうなんでしょうか。成功事例があって、買いたいというように募集されるのであれば分かるんですが、売る側の姿勢としてはどうでしょうか。

南:10年前にビズリーチを始めた時には、転職することや中途採用することが(今のM&Aと)同じように若干タブーだったわけですよね。まさかインターネットでうちの管理職の人間が転職活動をするわけがない。そんな人がいるわけがないと言われ続けていたことを10年間かけて当たり前にした。オープンにすればするほど当たり前になっていく。

事業承継も一緒なんですね。実際に後継者がいないので待ったなしなわけで。こういうプラットフォームに登録したからといって、別に会社を売却しなくてはいけないわけではなくて。健康診断と一緒なんです。自分の会社情報を登録することで、どんな会社さんが興味を持ってくれるのかということを知ることができる。

健康診断と言いましたが、健康診断したからといって病気とは限らない。なぜ健康診断を受けるかというと、もしかしたら病気が見つかるかもしれないから。それと同じで、会社の健康診断だと思っていただいて、後継者がいないような企業様、もしくはそういう企業様をお手伝いしている銀行さんやアドバイザーの方が代わりに登録するということもあります。

少しずつこの10年間をかけて会社を売ったり買ったりということが世の中の当たり前になったら、経済の生産性はもっと上がるのではないかと個人的には思いますし、本当に価値のある事業が未来に残っていくということは創業者や経営者にとっても素晴らしいことです。そういう思いでこのプラットフォームを運営しています。

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奥平:同じ業界で言うと、具体名を出してしまうと日本M&Aセンターさんみたいなところが先行してやっていらっしゃって、彼らもオンラインのプラットフォームを作ろうとしていて、いくつか競合がいると思うんですが、そこの差異化はどういうところにあるんでしょうか。

南:そもそも日本M&Aセンターさんを含めたフィナンシャルアドバイザーとか仲介会社様は全然競合ではないんです。分かりやすく小売の世界で言うと例えば(我々は)楽天市場。メーカーさんも出店してますし、ある意味問屋さんも出店しているんですよね。

ビズリーチもそうなんですけど、採用している企業様も直接使ってくださっていますし、人材紹介会社も我々ビズリーチを使ってくださっている。ビズリーチ・サクシードも仲介業をやっているわけではないので、あくまでプラットフォーム業なんです。会社さんに売る意思がある時に自分で登録していただいても、仲介会社さんが登録をして買い手側を探すこともできますので、我々からするとお客様という立ち位置です。そういう意味では仲介会社さん、フィナンシャルアドバイザーさん含めて一緒にこのM&Aのマーケットを大きくしていきたい。国家課題でもある後継者問題、事業承継というのをみんなで一緒に解決しながら、どうしたら市場を大きくしていくことができるのか。

転職が当たり前になってきたように、違う会社様に会社をお譲りしてさらに価値を上げていくということが、社会全体、経済全体として当たり前になっていくということを、この事業を通じて実現したいと思っています。僕たちはまだベンチャー企業なので、大きい会社様をライバル視するのも失礼な話だと思いますし、まだまだチャレンジャーとしてリクルート様やパ―ソル様のような大先輩にちゃんとくらいついていけるように、そして何よりも企業のお客様や求職者の皆さんと向き合いながら、新しい技術を使って素晴らしいサービスを作っていくということが自分たちが目指している理想的な姿だと思います。

瀧口:でも本当にこのカレー美味しかったですよね。

奥平:そういう締め方ですか(笑)。今話聞いてましたよね。

南:あははは(笑)。

瀧口:でもこういったものがこれからもちゃんと残っていくということが。

奥平:ちゃんとそういう風にまとめてくださるわけですね(笑)。

瀧口:そうですよ(笑)。

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奥平:実際2025年問題として650万人127万社がなくなってしまうと言われていますけど。そこに対するソリューションが提供できれば価値があることですよね。

南:そうですね。本当にビズリーチのプラットフォーム自体を10年かけて作ってきたように、ビズリーチ・サクシードを、事業承継の大きな国家課題というものに対してもやはり10年かけてもう一回ゼロからチャレンジしたいと思っています。

瀧口:ありがとございます。では後編に続きます。