洋菓子店「サブロン」(東京・荒川区)の裏で営業中の行列店「裏サブロン」。カウンターにわずか4席のこの店の看板メニューは、琥珀色のスープにゆでたまご、自家製チャーシューが入ったつけ麺(700円・税込み)です。毎日手打ちでつくる麺がスープにしっかりと絡みつき、「味は濃いけどスルスルいける」「つけ汁が冷めてもおいしい」と大人気。食後には洋菓子作りで余った材料から作るデザートが、200円で食べられます。
「裏サブロン」でつけ麺を作るのは、「サブロン」の山﨑博司店長です。山﨑さんはコンテストの優勝経験もある名パティシエ。25年前に店を開き、はじめは順調に店を経営していましたが、リーマンショックなどによる不景気のあおりを受け、一時は建設現場で働きながら店を続けたといいます。5年前、従業員の休憩スペースを改装して大好きだったつけ麺店を始めたのも、その苦境を乗り越えるためでした。
つけ麺の材料は、6~7割が洋菓子と同じです。独学で始めたつけ麺作りでしたが、意外にも洋菓子作りの技術が役に立ちました。小麦粉の特性がいろいろと分かってきて、それを麺に生かしているといいます。
製菓の知識はスープにも役立てられています。つけ麺のスープで最も重要なのはゼラチン。ゼラチンが少しずつ固まり、麺との絡みがどんどんよくなり、最後まで同じ感覚でつけ麺を食べられるように設計しているそうです。スープは冷めると香りが立たなくなりますが、香りをも保ちます。 「お客さんと直接会話でき、おいしいと言われると、これ以上ない」と山﨑さん。洋菓子店とつけ麺店、どちらか一つに絞るならどちらにしますか?との問いに、山﨑さんは「僕としてはラーメン屋さんかな」と笑いながら答えてくれました。
この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2019年1月25日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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