アメリカでは農産物の生産地が限られているため、ニューヨークで日本のような新鮮で甘いイチゴを手に入れるのは難しいそうです。そこに目をつけた日本人が新たなビジネスを始めています。
アメリカ・ニューヨークのマンハッタンにあるスーパー。売っているイチゴを見てみると、カビが生えています。ニューヨークで売られるイチゴの多くはメキシコやカリフォルニアなどで生産されているため、新鮮なものがなかなか手に入らないのです。
そこに目をつけた企業がニューヨークの隣、ニュージャージー州の倉庫街にあります。アメリカで初のイチゴの植物工場を作ったのが「Oishii Farm」。アメリカやインド、シンガポールなどの多国籍チームを率いるのは日本人の古賀大貴さんです。
アメリカは農業大国ですが、生産地が西海岸のカリフォルニアに集中しているため、それ以外の地域では新鮮な野菜は手に入りにくいのです。古賀さんは東海岸の現在の場所に植物工場を建てることで大きなチャンスになると考えました。
オフィスの奥にある植物工場では毎日数百個のイチゴを収穫しています。スーパーのバイヤーからはこのイチゴを市場価格の2倍から3倍で取引したいと言われたそうです。
さらに、ニューヨークのシェフの集まりで食べてもらったところ、「甘くてとろけそう」と好評でした。
古賀さんのイチゴ工場には投資家も注目しています。すでに「Oishii Farm」に出資している投資家の川田尚吾さんは「明らかにマーケットがあるのに商品が供給されていないというのは、確実に売れる状況。ビジネスリスクはあまり感じない」と太鼓判を押します。
古賀さんはさらなるビジネス拡大を目指し、他の機関投資家とも話を進めています。古賀さんは「今後はイチゴ以外の作物にも展開して、シンガポールやドバイなど農業ができない地域にも進出し、世界最大の植物工場を目指したい」と話します。
この映像と記事は「ワールドビジネスサテライト」(2018年12月20日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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