スマートフォンなどのモバイル端末でゲームを楽しむ人が増えてきました。世界の市場規模は、家庭用ゲームに比べ倍以上になっています。しかし、あえて家庭用ゲームソフトで勝負に出る会社があります。

その会社はゲームメーカーの「カプコン」。スマホ用のソフトに比べ、制作コストや時間がかかる家庭用ゲームソフトに力を入れています。特に海外での普及を目指し、ゲームの映画化も視野に入れてソフトを開発しています。

「カプコン」では、過去に人気ゲームの「バイオハザード」が映画化され、シリーズ6作品が製作されるなど大ヒットを記録しました。ゲーム作品の「映画化」はゲーム自体の売り上げに大きく影響するため、初めから視野に入れているのです。

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今、まさに映画化を目指して制作しているのが「デビルメイクライ」シリーズで、これまでに累計1,600万本を売り上げています。

開発者がこだわるのは登場するキャラクターの「誰からも同じ基準で評価されるフォトリアル」です。新作では、アニメっぽさがあった前作よりも、リアルな人間に近づけました。海外ではより人間に近いキャラクターが好まれるといいます。

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リアルに作るために、キャラクター衣装を身に着けたモデルを、103台のデジタルカメラであらゆる角度から撮影します。そこから得た3DデータをもとにCGを作成しています。新作では衣服の布地のキズや、女性キャラのメイクに至るまでリアルに再現されているそうです。

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「カプコン」があえて家庭用ゲームに力を入れるのには理由がありました。高速大容量の通信規格である「5G」を見据えているのです。「5G」ではスマホで家庭用レベルのゲームが楽しめると考えているのです。「カプコン」の辻本春弘社長は「5G環境になれば消費者はリッチなコンテンツに惹かれる」と話します。

この映像と記事はテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2019年1月8日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

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