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奥平:お辞めになられた時にちょうど取材をさせていただいて。起業されるのかなと思ったらWiLに入られて。

西條:そうなんですよ。強い意志を持って何かやりたいという人がいると、手伝ってあげようかなと思ってしまうタイプなので。サイバーエージェントを辞めてすぐに起業しようとしていたんですが、それこそコイニ―から資金調達手伝ってとか、WiLの伊佐山さんからこういうコンセプトのファンドをやりたいんだけど、日本サイドの立ち上げ手伝ってよと言われたりとか、そういうのがあると面白そうですねってやっちゃうんですよ。そんなことをしていたら何年か経ってしまって。

瀧口:WiLでの経験は今どのように生かされているんですか?

西條:WiLはたぶん日本の独立系のファンドでは一番大きなサイズでやっていましたし、出資者が通常の投資家と違って大企業でオープンイノベーションをやりたい企業が出資していたファンドだったんです。

例えばソニーさんが入っていたんですが、そのオープンイノベーションの案件で自分でも社長をやって子会社の立ち上げを手伝ったりとか。自分が大企業にいたのは実際には20代の4年間だけなので、今大企業が抱える特にイノベーション系の課題、また今の仕組みなど、非常に勉強になりました。

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奥平:ある意味今なさっていることは、これまでの商社でありサイバーエージェントでありの集大成という位置付けでしょうか。

西條:そうですね。集大成ですし結構昔やっていたことがつながってくるという感覚は40代になって増えていますね。スティーブ・ジョブズも「Connecting the dots」、点と点がつながると言っていましたが、FXの事業も伊藤忠商事の時に為替ディーラーを2年間だけやっていたことがすごく生きているんですね。意外と当時は役に立たないと思っていたようなことが、10年くらい経って役に立っているということがかなりありますね。

瀧口:このXTechという会社のコンセプトはいつ頃から考えていらっしゃったんですか?

西條:去年のお正月に考えました。いろいろやりたいと思っていて。具体的な案もいくつか出ていたんですが、軸になるコンセプトを考えた時に、自分は何が得意で何が好きかと考えると、やはり新規事業を作っていくということを今までやってきていましたので、新規事業をいろいろな所で作ること自体をコンセプトにしようということにしたんです。特に最近はインターネット完結型のサービスというよりは、既存産業に何かを掛け合わせていくというような流れですので、何かの既存産業×Technologyということで、XTechになりました。

瀧口:だからXTechなんですね。

瀧口:新規事業を立ち上げられるということ自体が好きだと。

西條:そうですね。あと課題としてエキサイトを買収した理由でもあるんですが、上場していてもしていなくても起業家が事業をある程度の規模まで成功させた後に、そこのどこかで山が来るじゃないですか。次の成長をしていくためには、次に何らかの事業を立ち上げていかなくてはいけないんですが、そこでつまずいているケースが多いんです。なのでそういうものを変えて行きたいという思いがありました。

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奥平:エキサイトを母体にして、新しいものを作っていくと。ちなみにエキサイトはあまり業績が良くなかったというお話でしたが、外から見ると主力事業はポータルサイトで、しかもPCの時代からの会社ですね。今はスマートフォンでさらに次に行ってという動きのなかで、ややもすると時代の流れから取り残されてしまった会社という見方もできると思うんですけど、これをどう変えていかれるんですか?

西條:一応エキサイトは60億円ちょっとの売り上げがありまして。メディアと課金コンテンツビジネスとプロバイダーの三本柱なんですが、事業としては出遅れているというか、スマホ時代に合ったような新サービスはないですし、その前にあったWeb2.0の流れにもあまり乗れていない。そういう意味で既存は既存で伸ばすんですが、どちらかというと中に優秀なエンジニアや人材がいるということがエキサイトの一番の魅力でしたので、その辺りで中をどんどん入れ替えていって新しいものにしていくというイメージです。

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奥平:では別にエキサイトというサービスにこだわるわけではなく、それを母体として全然別の物が出てくるかもしれない。

西條:そうですね。一応ポータルの形はありますけど、ポータルサイトとして何かやっていこうということではないですね。

奥平:具体的にはどういうことを考えていらっしゃるんですか?

西條:得意な分野、例えばフィンテックだったり、今は占いなどのコンテンツがありますが、他にもいろいろコンテンツビジネスがありますので、そういうところをやったり。新規事業ですね。

奥平:ではプラットフォームにしてもどんどんスマホ対応にになっていくと。

西條:そうですね。

奥平:さらにスマホの次もあるんですか?IoTだったりデバイスの世界だったり。

西條:IoTは経験があるので、十分可能性はあります。あとはスマートスピーカーなども、日本は普及が遅れていますが、音声を使ったコンテンツやサービスも出てくると思いますので、その辺りはやりたいと思っていますね。

奥平:伊藤忠商事時代にご存じだった方も(エキサイトの)中にはいらっしゃったんですか?

西條:意外と出向者は少なくて、3名なんですよ。

奥平:それは元同僚の方。

西條:そうですね、同期も出向で来いてます。今もいますけど。

奥平:それでは(向こうからすると)気が付いたら巡り巡って同期が社長として入ってきたと。

西條:そうですね。ちょうどM&Aの相手の窓口がたまたま同期で。「おう」みたいな感じでしたね(笑)。

奥平:それは歓迎されているんですか?

西條:まあ友好的なTOBだったので。

(後編へ続く)