人口減少によって檀家の減少に苦しんでいる寺。地方では維持費が不足している寺もあります。そんな寺を支えるための新しい取り組みが広がっています。
京都にある「おてらのでんき」のサービスを提供する会社。その名も「テラエナジー」。新しい電力会社です。社長の竹本さんは寺の住職もしています。
この半年で各地に営業に走り「おてらのでんき」を多くの寺に売り込みました。「テラエナジー」は発電施設を持たないため、既存の電力会社などから電力を購入。買った電気を顧客に販売します。この売り上げのおよそ3%を寺などに分配します。
契約した寺が檀家へ営業するといった寺ネットワークを利用して契約数を増やす仕組みです。3人の社員も全員お坊さん。これまでに30の寺との契約が決まっています。
土日は寺の住職の仕事に励む竹本さん。19年度には寺の契約数を250まで広げ、その檀家5,000件との契約を目指します。
竹本さんは「日本発信で、宗教コミュニティを使った社会の作り方在り方があるんだということをいろんなところがマネしてくれたらすごく面白いのではないか」と話します。
広島県の寺の住職、吉盛さん。この日は檀家の家へ。お経を読み終え、説法を始めましたが...。
「おてらのでんきの方に電気料金を年間納めると、3%お寺へ寄付金としてあがってくる」と、電力会社を変えると寺の支えになると説きます。
吉盛さんの寺を見てみると、本堂の壁には雨漏りの跡がくっきりと。天井の板には穴が開いています。さらに本尊は土台の部分が腐って変色しているありさまです。
吉盛さんは「お寺を守ることは大変なこと。修繕の寄付ができない方にもお寺を支えていくことができるというのがおてらのでんきの素晴らしさではないか」と話します。
この映像と記事はテレビ東京「ゆうがたサテライト」(2018年12月12日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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