2017年7月、九州北部豪雨で被害を受けた福岡県朝倉市。実は今も災害で発生した土砂がそのまま放置されています。こうした状況を新ビジネスで解決しようというアイデアマンが登場しました。
福岡県のJA糸島アグリの店長古藤俊二さんは、撤去が進まない土砂を商品として売り出し問題を解決しようとしています。
古藤さんは、「いろんな土の開発をやってきて、自分の技術を生かしたい」との思いから災害で発生した土砂をガーデニング用の土に生まれ変わらせました。
古藤さんが協力を求めたのは地元の園芸肥料工場です。最初に高温の水蒸気で雑草の種を死滅させ、ふるいにかけて、ガレキや石などを取り除きます。そして、ここからが古藤さんオリジナルのアイデア。さらさらになった災害土砂に地元でとれる様々な肥料を混ぜます。糸島名産のカキの貝殻や、竹を燃やした炭など、普段は廃棄してしまう厄介者を肥料として再利用するのです。
古藤さんは完成したガーデニング用の土に「祈りの土」と名付け、15リットル入り298円(税込み)で販売しました。販売は好調で、開始2ヵ月で、目標を大幅に超える5,000袋が売れたといいます。
古藤さんは、「皆さんに買ってもらうには手ごろな価格が必要。地元で厄介者だったものを再利用することで単価が安くなる」と話します。2018年11月に開催された福岡マラソンのゴール地点で選手を迎えた花壇にも「祈りの土」が使われたそうです。
この映像と記事はテレビ東京「ゆうがたサテライト」(2018年11月13日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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