今、プラスチックによる海洋汚染が世界中で問題視されていますが、私たちの食卓に欠かせない「食塩」もまた、世界的に汚染されている可能性が高いことが、韓国の研究グループの調査により明らかになりました。
仁川大学の金教授らは、アメリカや中国、インドネシア、イタリアなど、世界21の国と地域でつくられた39種類の食塩を各地のスーパーマーケットで購入。塩を溶かしてろ過したものを分析したところ、0.1㎜程度の小さなものから5㎜近くあるものまで、様々な大きさのマイクロプラスチックが出てきたといいます。
39種類中36種類、実に9割以上の食塩からマイクロプラスチックが発見されました。多いものでは1kg当たり約1万4千個が検出されたサンプルもあったそうです。
マイクロプラスチックは海の中に大量に存在しています。塩だけでなく、水産物などの食べ物、さらには呼吸などを通して、年間3万2千個にも上るマイクロプラスチックが私たち人間の体内に入っているとみられています。健康への影響はまだ詳しく分かっていません。
今回の調査に日本の塩は含まれていませんでしたが、同じような傾向となる可能性が高いと金教授は指摘します。塩にマイクロプラスチックが含まれているかどうか、日本は国レベルの調査を行っておりません。しかしこうした状況を受けて環境省は、2019年度からマイクロプラスチックの供給源の一つと考えられる河川の実態を調査することを決定しています。
「私たちが排出するプラスチックは、その量と比例して私たちの食卓に戻ってくる。私たちはプラスチックの使用料や排出量を減らす方向で努力していかなければならない」と、金教授は強く訴えます。
この映像と記事は「ワールドビジネスサテライト」(11月20日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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