米国のハードウェア・スタートアップを代表して、空飛ぶクルマを開発するトップ・フライト・テクノロジーズと、環境に適応して自ら考え行動する産業ロボットのリアルタイム・ロボティックスが登場。ハードウェアスタートアップの課題や日本企業との連携について考える。米シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタル、スクラムベンチャーズが2018年11月に開催したイベント「Scrum Connect 2018」のセッションをSTARTUP Xがジャックし、公開収録。
瀧口:それでは皆さま、大変お待たせいたしました。セッション6を始めさせていただきます。このセッションでのテーマは『ハードウェアスタートアップの成功の鍵は?』ということでお話を伺っていきたいと思います。ではパネリストのお2人ご紹介させていただきます。
瀧口:まずは今、空飛ぶクルマの開発で最も実用化に近いと目される、トップ・フライト・テクノロジーズのロン・ファンCEOです。よろしくお願いします。
瀧口:そして産業用ロボットの分野でイノベーションを起こそうとしているリアルタイム・ロボティクスのピーター・ハワードCEOです。よろしくお願いします。
では始めさせていただきたいと思いますが、まずはお二方にそれぞれどんな事業をされているか、2分程度でプレゼンテーションをしていただきたいと思います。ロンさんからお願いします。
ロン・ファン:私はトップ・フライト・テクノロジーズの創業者でありCEOのロン・ファンです。当社はボストンでマサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトした会社です。創業は2014年でスクラムベンチャーズの宮田拓弥氏は当時から我が社に投資してくれています。
ロン・ファン:我々はハイブリッドのドローンを開発しました。日本で一番売れている自動車もハイブリッドですね。我々もハイブリッドのエンジンを開発し、ドローンに組み込んでいます。我々は3つの課題―積載量・丈夫さ・安定性―を解決しました。何時間も飛び続け重い荷物を運び安定している、そういったドローンは世界に類のないものです。
瀧口:ありがとうございます。本当に速いスピードでかつ長い距離を飛行できるというドローンということですね。
奥平:相当安定感が高いですね。
瀧口:本当に大きな荷物を運ぶことも可能になっているということです。では続いてピーター・ハワードさんのお話を伺いたいと思います。
ハワード:リアルタイム・ロボティクスCEOのピーター・ハワードです。当社はデューク大学からスピンアウトした会社ですが、MITの技術も取り入れています。我々の技術はモーション・プランニングというものでロボットがリアルタイムで環境の変化に適応する技術です。
ハワード:これからお見せするのはロボットの環境の適応性です。重要なのはシステムに3Dセンサーが付いていることです。インテル社製のとても手頃な価格のものです。このコンピュータ―には特別なハードウェアが内蔵されています。このハードウェアが対象物のある場所を認識し、障害物にぶつかることなく対象物までたどりつく経路を演算するのです。
ハワード:こちらがターゲットです。ここにランダムに置きます。
奥平:とても賢いですね。
ハワード:動く方向を総合的に判断します。
ハワード:現在、全産業でロボットが1%以下しか活用されておらず、我々の技術は応用範囲が広いと言えます。現状のロボットは変化する環境に対応できませんが、我々のロボットは課題を解決し、誰もが利用できるのです。