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奥平:スタートアップの立場からするとこれまでうまくいった協業、そうではないもの、どちらもあると思うんですが、うまくいくためにこういったプレゼンテーションをする、こういう話の持っていき方をする、など経験的に得られた部分はありますか?

河野:経験的にというよりも、うまくいくものは相手とビジョンが一致するかどうかが大事だと思います。ビジョンが合ってさえいれば、多少きつかったり情報連携の中で言った言わないという状況になっても、お互いに何をすればいいのか案を出しながら解決したり、修正することができる。お互いに信頼し合える状況でやれることが大事だと思います。

実際、本当にビジョンに共感した方というのは、用事が無くてもオフィスに遊びに来てくれて進捗状況を確認したり、アドバイスをくださったり、ふらっと今日飲みに行こうか、と誘ってくれて将来どういう世界を作っていきたいか、ということをお互いに話し合えたり。そういうところを応援してくれる方たちなので、ビジョンの共感というところを最初にしっかりプレゼンするといいのかなと思います。

瀧口:まめなコミュニケーションが大事なんですね。

河野:そうですね。やはりコミュニケーションは僕らスタートアップの組織内もそうですが、しっかり話し合ってお互いに信頼関係を築く。かつ自分の欲だけでやるとこういうオープンイノベーションはなかなかうまくいかないのかなと思っていて、お互い譲れる部分と譲れない部分、しっかりメリハリをつけることも大事だと思っています。

瀧口:粟生さんは一緒に熱量を上げるためのポイントは何でしょうか。

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粟生:もちろん大企業の中で縦のコミュニケーションというのが皆さんあると思いますが、CVCをされている方やオープンイノベーションの担当者の方は、その大企業の中ではどちらかというとマイノリティであったり、異能なんて言われる方もいるかもしれません。

その方たちがもっと社内で気持ちよく仕事をしていただくために、縦の人間関係だけではなく横の部門の方たちにも私たちを紹介していただいて、縦も横も斜めも含めて、私たちから新規事業担当者の方がやっていらっしゃる取り組みを一緒になって語るというような、縦も横も斜めも含めたお客様の中に入っていく。むしろ私たちスタートアップのメンバーをうまく使ってほしいと思っています。

ロボットのプロジェクトの時は我々の熱量を他の役員の方たちにも現場で見てほしいという思いで、大企業の役員さんに弊社のロボットの汚いラボを見ていただきまして(笑)。大学の研究室を思い出していいね、なんて言ってくださいましたが、そんなことを一緒にしたりしています。

河野:そういう意味でいくと、やはり担当者の評価が上がるように僕たち自身も頑張ることが大事なのかなと思います。

瀧口:担当者の方が社内で胸を張ってプロジェクトができるような。

河野:うちの社内では、このアライアンスのKPIは担当者の評価が上がること、というのを繰り返し言いながらやっています。

瀧口:なるほど。それもポイントとして大きそうですね。

奥平:ビジョン合わせとフラットな目線で話す。特に受発注の関係って思い当たるところがありまして、どうしても下手すると下請けの関係になってしまうケースがあるので、どうやってフラットな関係で目線を合わせるかということが一つのポイントと言えそうですね。

瀧口:ありがとうございました。そろそろお時間になってしまいました。あっという間の20分間でしたね。

奥平:もう少しお話を伺いたかったですね。

瀧口:今日はお二人本当にありがとうございました。大きな拍手をお願いします。

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