「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

業種の垣根や企業規模を越えて技術革新や新ビジネス創造を進めるオープンイノベーション。積極的に活用するスタートアップ2社~空室情報検索サービスなどを手がけるバカンの河野剛進代表取締役、人工知能(AI)開発のエクサウィザーズ粟生万琴取締役~を迎え、革新的なオープンイノベーションの姿を考える。米シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタル、スクラムベンチャーズが2018年11月に開催したイベント「Scrum Connect 2018」のセッションをSTARTUP Xがジャックし、公開収録。

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瀧口:皆様、大変お待たせいたしました。こちら『日経STARTUP X』という番組でこんなに素敵な場に来させていただき、イベントをジャックさせていただくという運びになりました。今日は二つのセッションを進めさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

瀧口:早速ゲストのお二人をご紹介させていただきます。このセッションのパネリスト、まずは株式会社バカン代表取締役 河野剛進(たかのぶ)さんです。河野さん、よろしくお願いいたします。

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河野:よろしくお願いいたします。株式会社バカンの代表取締役の河野と申します。本日放送されるということでかなり緊張しているんですけど、よろしくお願いいたします。

瀧口:よろしくお願いします。そして株式会社エクサウィザーズ取締役の粟生(あおう)万琴さんです。

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粟生:皆様始めまして。株式会社エクサウィザーズの粟生と申します。通称「エクサのあおう」そして「また会おう」と覚えてください。すみません、すべりましたけど。緊張していたんですが、今緊張をほぐすために勇気を出してみました。よろしくお願いします。

瀧口:よろしくお願いします。今回のセッションでは日本におけるオープンイノベーションの現状と展望についてディスカッションしていこうということで、お二方に来ていただきました。まずは河野さんと粟生さんにそれぞれどんな事業を展開しているか、プレゼンテーションをしていただきたいと思います。初めにバカンの河野さん、よろしくお願いします。

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河野:弊社ですが、バカンというのは「VACANT・空いている」という意味からできた会社です。私たちはそこが空いているか一秒で分かる優しい世界を作っていこうという思いでスタートした会社です。

河野:この中核となるのが「VACAN(バカン)」というサービスで、レストランやカフェ、駅ナカの空き情報などありとあらゆる空席情報を集めていくプラットフォームになります。

それをさらにトイレに特化させたものが「Throne(スローン)」というサービスです。「Throne」は「王座」という意味ですが、そこから転じて「便座」というスラングがあるので、トイレに特化した空き状況を可視化するサービスになります。

最後は直近でスタートした「QUIPPA(クイッパ)」という、お弁当の空き状況を可視化するサービスです。お弁当ってどこで買えるか分からなかったり、今どれくらい在庫があるのか分からなかったりするので、それを可視化して取り置いてもらうというサービスです。この三つを今展開しております。

瀧口:ありがとうございます。このQUIPPAというのは、由来は食いっぱぐれないという意味からでしょうか。

河野:おっしゃる通りです。お弁当屋さんの混雑を解消したり、食いっぱぐれないための良いサービスだと思っていて、世の中の人たちの選択肢をもっと増やしていきたいという思いで食いっぱぐれないためのサービス、それがQUIPPAとなっています。

奥平:それぞれあると便利なサービスですが、今までなかなか無かったのはおそらく技術的なところで、たぶんトイレは人が計測するのは無理でしょうし、お弁当屋さんもオペレーションが煩雑な中で難しい。そこを技術的に解決されたということでしょうか。

河野:そうですね。ちょうど私たちが始めた時が転換点だと思っていて、ありとあらゆるもののコストが高かったんですね。例えばインフラ。ネットワークも高かったし、人工知能に関してはまだまだ技術が足りていなかった。そういう中でこういうセンサーを安く提供できたり、人工知能で空いているかどうかリアルタイムで検索できるようになったり。そういう部分について、良いタイミングで我々がサービス提供できるような技術開発ができたのが良かったと思います。

奥平:お弁当屋さんやトイレにセンサーが付いているんでしょうか。

河野:このQUIPPAは純粋なITサービスになっています。僕たちはAIだろうがIoTだろうがあまり関係なくて、混雑を解消するために会社を立ち上げて、その中の一つのやり方として、例えばVACANであればセンサーやAI、Throneであればセンサー、QUIPPAであれば店舗の人たちに在庫状況を入力してもらうサービスになっています。

奥平:拝見すると商業施設等々大企業の名前が出ていますので、オープンイノベーション向けのネタが揃っていそうですね。

河野:そうですね。楽しみにしていただければと思います。