「ご近所ワーク」をご存知でしょうか。家の近くで、家事の合間など短い時間でできる、簡単な仕事のことです。この「ご近所ワーク」は新たな仕事のスタイルとして広がりを見せています。

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横浜市に住む今村千香子さんが家事を終えて出かけていった先は、自宅から歩いて3分ほどの場所にある空き地。写真を撮り、空き地の広さや特徴をスマートフォンに入力します。さらに、そこから約5分。もう1ヵ所の空き地を見つけ、ここでも写真撮影。

実は今村さんは駐車場になる用地を探しているのです。コインパーキングを運営する企業からの仕事で、広さや立地などの条件を満たせば、1ヵ所あたり700円もらえます。この日は条件に合う空き地を2ヵ所見つけ、報酬は30分ほどで1,400円になりました。

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「ご近所ワーク」というサイトを新たに立ち上げ、こうした近場でできる仕事を紹介しているのが、人材派遣会社ビースタイルです。登録すれば、業務内容や対象エリア、報酬から希望の仕事を選ぶことができます。

紹介されている仕事は、空き地調査のほか、スーパーなどの売り場の商品陳列や空き家の掃除、カーシェアで使う車の掃除など20種類ほどです。一番高い人で月に15万円稼いでいるといいます。

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サイトを立ち上げた後、企業からの仕事の依頼がおよそ2倍になりました。依頼する側の狙いは何なのでしょうか。

コインパーキングを全国で運営しているスペース24では、神奈川県内の空き地調査を「ご近所ワーク」に依頼しています。月に50件ほどの情報が寄せられているそうです。

こうした空き地調査はこれまで営業の社員が担当していましたが、移動時間や交通費などの負担が課題になっていました。「ご近所ワーク」を利用したところ、1日に1時間から2時間ぐらいの労働時間が削減できたといいます。今後エリアを全国に広げ、月に1,000件ほどの情報を集めたい考えです。

ビースタイルの佐野さんは「既存の社員の労働力だけでは足りなかったり、さらに効率を上げていかないといけないというミッションは、どこの会社も出てくる話なのでご近所ワークは増えていくと思う。」と話します。

※このコンテンツは「ゆうがたサテライト」(11月16日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

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