成熟したと思われる家電市場でいま、続々と新勢力が台頭しています。2018年8月に日本に本格進出したのが、アメリカであの「ダイソン」をも上回る人気となった掃除機メーカーでした。

20190116parasbusiness_01.jpg

アメリカの「シャーク」という掃除機ブランドの発表会。見た目は普通のスタンド型掃除機ですが、ボタンを押すと、掃除機の柄が折れ曲りました、これには客もびっくり。そのままソファーの下も楽々掃除することができました。さらにコンパクトにたたんでしまえることも分かり、客はさらにびっくりした様子です。価格は中位機種が5万円台、上位機種が6万円台といいます。

20190116parasbusiness_02.jpg

この掃除機を作ったのがアメリカ・ボストンにある「シャークニンジャ」という会社。現在は45種類の掃除機を作る、掃除機の専門メーカーです。100年以上の歴史があり、もとはミシンやアイロンを作っていましたが、CEOのマークさんが10年前に掃除機に絞った開発を始めました。すでに王者「ダイソン」が君臨していましたが、消費者の不満はあると「顧客第一主義」をかかげて急成長。2010年はアメリカでわずか1%のシェアでしたが、2014年には「ダイソン」を抜き去ったのです(スタンド型掃除機)。

20190116parasbusiness_03.jpg

成長の秘密は徹底して客の声を聞き、不満をなくすこと。掃除機を試してもらうモニター調査は、別室で様々なアングルの映像でチェックしながら、使いづらい点がないかチェック。またスーパーなど店舗ごとの売り場を再現し、どの価格帯の商品が求められているかも細かく分析します。さらに客が手にする商品パッケージには、箱の凹みも許さない徹底ぶりです。

20190116parasbusiness_04.jpg

こうして急成長した「シャーク」は日本で商品を販売するまでには1年ほど時間をかけました。150人ものモニターに商品をチェックしてもらい、日本向けになんと20カ所も仕様を変更しました。高さは日本人の身長に合わせ15センチほど低くくしました。フィルターはアメリカ向けよりも細かく、取り外せるようにしました。ダストカップを掃除できるようにしたのです。日本法人のゴードン社長は「掃除機を掃除するのは日本だけだと思う」と話します。さらに日本人向けに改良した小型のハンディクリーナーは、音を小さくしこちらのダストカップも水洗いもできるように変更。徹底して日本人モニターの声を取りいれ、商品開発してきた「シャーク」。日本の家電業界でも脅威の存在となるのでしょうか。

※この映像と記事は「ジパング」(10月24日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

テレビ東京の経済報道番組を"早見"できる「パラビジネス 2分で経済を面白く」は毎日配信中。

(C)テレビ東京