北海道みやげの定番「マルセイバターサンド」や、イチゴを丸ごとチョコで包み込んだ「ストロベリーチョコ」などを販売する六花亭。デパートの北海道物産展などでは商品が飛ぶように売れ、売り場に長蛇の列ができるほどの人気ぶりです。
六花亭の店舗は、北海道にしかありません。その店舗では180種類もの商品が販売されています。全種類ひとつずつでも買えるバラ売りをしており、1個125円(税込み)の「マルセイバターサンド」をはじめ、どの商品も手頃にいくつでも買えます。中には「週3、4回訪れる」という客もおり、地元の人にとっては「身近なおやつ屋さん」として親しまれています。
人気の秘密は、特別な菓子作りにあります。例えば「マルセイバターサンド」の生地は、独特のサクサク感が人気ですが、この食感を出すには、機械にはできない職人技が欠かせません。手の感触だけを頼りに、やわらかい部分や硬い部分がないように、生地の硬さを均一にする必要があります。六花亭を率いる亭主の小田豊さんは「あえて全ては機械化しない。手作業を残しておかないと"作り手の意思"が入らない」と話します。
また、六花亭には、発売から60年以上経た商品も含め、数々のロングセラーがあります。長く愛される商品を生み出す背景には、発売後も絶えず行われる商品改良があります。「支持されている菓子は、一つとして例外なく、発売した時よりも良くなっている」と小田さんは話します。
さらに小田さんが追求しているのが、お菓子の品質維持につながる"従業員の質"の追求です。その一つが、従業員の声を掲載し、毎日発行している社内新聞。それぞれの課の情報を共有する事で、従業員は自らの働き方の改善に生かしています。
やる気につながる社内制度も充実。働き方改革が叫ばれる以前から有給休暇の取得率は100%。休みを利用して従業員6人以上で旅行すると旅費の7割を会社が負担してくれる制度があるほか、頑張った人を称える「今月の顔」に選ばれた人には、豪華な食事のご褒美と20万円の特別ボーナスが貰えます。
味にこだわり、従業員を大事にしてきた小田さんはこう話します。「売り上げを否定するわけではないが、売り上げが目標ではないことははっきりしている。企業の永続性につながることであればやる。あってもなくてもいいことならやらない」と。
※この映像と記事は「カンブリア宮殿」(10月4日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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