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奥平:そのあたりの事業提携や資本調達に関しては、お姉さんの仕事になるんでしょうか?

真梨子:その点について今は彼が会社の顔ですので、主に舵を切ってやっているところです。私は主に実務面の担当ですね。

賢人:私がごちゃごちゃといろいろな提携や仕事を持ってきたものを、彼女がしっかりとロジック立てて組織に組み込んでいったり、具体的な実現に落とし込んでいくというような形で役割分担をしています。

真梨子:(賢人は)片づけができないタイプなので(笑)。

奥平:昔から(笑)。

真梨子:はい。

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瀧口:姉弟だからこそわかるところですよね(笑)。先ほど世界を目指していきましょうというお話がありましたけど、実際今はアジアや欧米など、どういったところを見据えているんでしょうか?

真梨子:まずはアジアが立ち上がりやすいかなと思っています。

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真梨子:というのも、私が今年の夏に韓国で国際会議に出席させていただきまして、そこでアジアのいろいろなソーシャルアントレプレナーの方とお話をさせていただいて、例えばタイだとすぐにでもできるからやりたいという方がいたり。

奥平:タイは市場性がありそうですね。

真梨子:あとは韓国の方ですね。当事者の方ともお話させていただきましたが、韓国はまだまだLGBTに対する目がすごく厳しい。お隣の国ではありますが、日本とは全く事情が違います。

奥平:やはり儒教的なカルチャーが根本にあるのでしょうか。

真梨子:まさにそうですね。同性愛者に関してはキリスト教的なところでもあるんですが、トランスジェンダーの方ですと儒教的な価値観から性別を変えるということはあり得ないと拒否されてしまって、とてもじゃないけど就職は最初からできないものと決め込んでいる方も多く、日本で就職されている韓国のトランスジェンダーの方も多いです。

実際に私たちのサービスを使っていただいたりしてそういったニーズを感じていて。twitterでも自分たちの会社名をエゴサーチすると韓国語で書かれたつぶやきもあって何だろうと思っていたら、意訳してくださった方がいて、「日本のJobRainbowのようなサービスが韓国でできるのはいつなんだろう」というつぶやきがあって、そういった意味では求められているんだなと。

奥平:実際に仮にタイでも韓国でも事業を展開するにあたって、それまで日本で蓄積されてきたノウハウがあると思いますが、知られていないけどここが肝だということを教えていただけますか?サイトの運営やマッチング、企業に対するアドバイスなど。

真梨子:やはりデータベースを大きくしていくことが重要かなとすごく思います。中国に世界で一番大きなLGBT関連の出会い系のサイトがありまして、政府を推して出ているんですね。

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賢人:中国のある企業が、世界で一番大きかったLGBTのゲームの出会い系アプリを買収して、他にも中国国内でもっとも大きなアプリというのもありまして、その合計で言うと推定の数値だけでも約8千万人、1億人弱近いデータベースを持っているんです。我々のサービスも日本国内ではLGBT全体で月間11万~12万人ぐらいが常にご利用いただいているんですが、そういう部分では(中国は)圧倒的にLGBTのユーザーの情報を持っていると。

奥平:その11万~12万人の方は訪問者数ですか?

賢人:月間のアクティブユーザー数ですね。

奥平:実際にアカウントを持っている方がそれだけいると。

賢人:そうですね。訪問しているアクティブユーザーです。その中で我々がLGBTの生活を今後支えていきますよ、となった時にそのデータベースを国内で大きくしていって、海外でもそれを横軸に展開していくということが非常に重要なことかなと思っています。

瀧口:なるほど、データベースが大事なんですね。

奥平:海外でもある程度視野に入っている進出先や時期などはありますか?

賢人:まだまだ正直国内の基盤を厚くしていくというフェーズなので、どこのマーケットに入るかというのはまだ選定段階ではあるんですが、ある程度我々が選定すべきなのは今の日本のような状況、つまり過渡期(にあるところ)じゃないですか。反論もあれば賛成もある。そういうマーケットに入っていくのが初期としては非常に重要じゃないかというところです。今アジアでもっともLGBTフレンドリーというと、台湾が今後同性婚を認めていくという流れになっているので、そういう所を攻めて行く事業戦略を考えているところです。

奥平:ダイナミックなマーケットの方がスタートアップの参入余地があるというのは、業界問わず不変の法則ですね。

瀧口:過渡期にちゃんと参入していくという。

賢人:そうですね。