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奥平:スタートアップの事業計画でも市場性があるという話だと思うのですが、雇う側の企業側のニーズが無いとマッチングしないですよね。そちら(企業側)の姿勢はどうだったんでしょうか。最初からそよ風くらいはあったということでしたが、一気に理解が広がったのか、そこはチャレンジがあったのか、大企業のスタンスとしてはどうでしたか。

賢人:まだまだ正直チャレンジングな現状ではあるんですけど、やはり我々が会社を立ち上げた2年半前だと、LGBTという言葉を言っても企業の担当者もピンと来ていない方も多かったんですね。それが今LGBTと人事担当者に言うと企業課題として捉えている会社さんがほとんどで、非常に熱の高まりを感じているところです。

奥平:業種なり地域なりで色というか、理解やニーズの濃淡はあるのでしょうか。

賢人:それはあると思いますね。今回番組名がSTARTUP Xということですが、やはりスタートアップ企業や、若い方が多かったり創業間もない企業さんの方が、その分野では柔軟な姿勢を持っているところが多いです。特にこの領域でいうとIT業界は進んでおりまして、我々も最初のサービスのローンチの時は外資系のIT企業、Microsoft、IBM、Salesforceという企業ばかりだったんですが、今は楽天さんなども出始めてきていて、日本企業もだんだん変わりつつありますね。

奥平:他の業種ではどうでしょうか。スタートアップ、ITの他に製造業ですとかサービス業など。

賢人:正直まだまだ進んでいない業界も多いんですが、そんな中でもメーカーや、意外と建設業界の企業様など(が多いですね)。

奥平:建設業界ですか。

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賢人:なぜかと言うと人材不足ということが非常に大きくて、このままでは人が足りないことで会社が立ち行かなくなると。そういったところでダイバーシティに活路を見出して、例えばもちろん外国人や男女差関係ないということもあるんですが、その中でもLGBTというのは人口規模的にも非常に大きいので、しっかり受け入れの器を作っていこうという空気は非常に感じていますね。

奥平:建設というのは意外感がありますね。それほど人手不足が深刻ということなんでしょうね。

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瀧口:消費者としてのLGBTの方ということで、私が前に読んだことある統計で、高所得者の方が多いというものを読んだことがあるんですけど、そういったものは実際あるんでしょうか。

賢人:LGBTの消費市場だと日本国内で約6兆円あるということが電通の調査で分かっていて、購買力としても非常に大きいです。プラス例えばレズビアンのカップルやゲイのカップルは子供を持たないカップルがほとんどで、ダブルインカムなので世帯収入がかなり大きいという視点もありまして、そういう意味では旅行とか、カップル向けの結婚式であったり、LGBT系のビジネスというのはだんだん活発になりつつあると感じています。

瀧口:そのダイバーシティというお話なんですけど、例えば女性がいると視点が1つ増えるという話があるじゃないですか。LGBTの方がいるとまた視点1つが増えて、企業全体にいい効果を生んでいるんでしょうか。

賢人:そうですね。実際にいくつかの国際的な調査を含めますとLGBTに関してオープンになれるような環境がある企業ですと、そのチームのパフォーマンスは大体15~30%上がるという調査データもあります。単純にLGBTの方がクリエイティブだというよりは、オープンにできることで個人のパフォーマンスも上がりますし、もちろん私たちが作っているサービスの購買者の中にもLGBTの方がいらっしゃるので、そういった視点があることで、よりクリエイティブなものが作っていけるという背景はあるかと思います。

奥平:15~30%って非常に大きい数字ですよね。実際今お話伺っていて世の中のマーケットの5%がLGBTの方たちで、更に購買意欲も高いということは、その(LGBTの方の)視点が入って来るというのは非常に重要ですよね。

賢人:ちなみにその5%というのは私が中学生の時の数字なんですが、今博報堂さんや電通さんの調査の中では7.6%から8%と言われているので、人口でいうと950万人の方が国内にLGBTとしているということが言われています。

瀧口:数字で見ると一気に分かりやすくなりますね。

奥平:意外と見えないところに巨大市場があったんですね。

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真梨子:そうですね。分かりやすく言うと、日本の6大苗字、佐藤さん、田中さん、鈴木さん、高橋さん、あと...。

賢人:伊藤さん。あと渡辺さん。

真梨子:その6大苗字の方を合わせた人数と同じくらいと言われていますので、この苗字の方って聞くと知り合いでもパッと顔が浮かんだりするじゃないですか。それと同じくらいLGBTの方が身の回りで思い浮かぶかというと、そうではないと思うんですね。そういう意味ではまだまだ可視化されていないといえると思います。

奥平:そこに巨大な潜在市場があると。

瀧口:6大苗字分かりやすいですね。友達でも100人くらい思い浮かびますよね。

奥平:友達多いですね(笑)。

<次回更新の後編へ続く>