奥平:今社員の人数は全部でどのくらいですか?
佐々木:今500人弱ですね。
奥平:5から50、50から500とステージングが変わるタイミングで、組織ってガタが来ることあるじゃないですか、求心力の部分で。そういう意味で危機はありましたか?
佐々木:危機として一番きつかったのは、30人くらいの時でしたね。それまで割と僕は全部自分で意思決定をしていたし、すべての情報を知っていると思っていたし。そうするとだんだん自分がボトルネックになって来るので、自分で何か決めようとすると、知っていると思っていたのに本当は必要な情報が得られていなくて、間違った意思決定をしていたり。
あと自分が決めているから、みんなもこう決めていると知ってるだろうと思っていたけど、みんなには伝わっていなかったとか。そういう意味で大丈夫かなということが起きた時期があって、今価値基準と呼んでいますが、カルチャーを明文化するようにしました。
瀧口:ペットボトルがありますね。
奥平:用意されたかのようにおいてありますけど(笑)。
瀧口:ここにfreeeの価値基準がペットボトルに書いてあるんですね(笑)。『本質的(マジ)で価値ある』って書いてあります。これは本質的と書いてマジと読むんですか。
奥平:本気と書いてマジと読むのはよくありますけどね(笑)。
佐々木:社内ではよく略して「マジ価値」なんて言ったりしますけど。「君はマジ価値で考えてるのか?」みたいな感じです。
瀧口:普通に使われている用語なんですね。
佐々木:使われてますね。一番使われている中の一つかもしれないですね。
瀧口:「それマジ価値?」みたいな使い方で合ってますか?
奥平:ぜひ使ってみてください(笑)。
瀧口:通じるかな(笑)。
佐々木:当時はもっと固い言葉だったんです。その下に書いてあるのは当時の言葉に近いですけど。
奥平:なんて書いてあるんですか?
瀧口:ユーザーにとって本質的な価値があると・・・。
佐々木:信じること。
瀧口:自信をもって言えることをする。今ちょっと間違えましたね(笑)。
佐々木:そういうものをいくつか作って、こういうものが今まで僕たちやってきたことでいいことだよねっていうことを、そのカルチャーを明文化して意識していこうよと。逆にこういったことを意識して意思決定すれば、みんながfreeeらしい意思決定をできるはずなので、ぼくがこれから先決めなくてもいいし、みんなが決められるようにこういった指針を立てようと始めました。
当時、その一つはハマったんですけど、それ以外は難しい文だったので、なかなか浸透しなくて。みんなでどういう言葉にしていけばわかりやすいか3年くらいかけて議論した結果、今こういう形で落ち着いてきていますね。
奥平:これは何バージョンもあったんですね。
佐々木:何バージョンもありました。最近はあまり直されずに落ち着いてきたんですけど、ポイントは今の「マジ価値」とかその次の「理想ドリブン」とか全部そうなんですけど基本的にはfreeeならではの造語になっていて。それを言えばfreee独自の概念だなって思えますし、言葉としても社内で使うと使い勝手がいい言葉になっています。そうすると言葉の中でも使われるし、独自の概念としてプライドみたいなものを持てるようになってきます。そういった意味でカルチャーとしてうまくいったなと思います。
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