今、出版不況が続いています。出版部数は年々下がっており、休刊する雑誌なども増えています。そんな中、絵本だけは横ばい以上を維持しているといいます。

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さらに、今までの絵本のイメージとは違うものが出てきているようです。

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ジュンク堂書店池袋本店の2018年7月22日~8月22日売り上げ集計をもとにしたランキングがこちらです。

10位「100万回生きたねこ/講談社」
9位「どうぶつだあれかな/学研」
8位「だるまさんシリーズ3冊ケース入り/ブロンズ新社」
7位「ぜったいにおしちゃダメ?/サンクチュアリ出版」
6位「だるまさんが/ブロンズ新社」
5位「きんぎょがにげた/福音館書店」
4位「もいもい/ディスカヴァー・トゥエンティワン」
3位「あるかしら書店/ポプラ社」
2位「おしっこちょっぴりもれたろう/PHP研究所」
1位「みえるとかみえないとか/アリス館」

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7位の「ぜったいおしちゃダメ?」は赤いボタンが頻繁に作品には出てきます。しかし、このボタンには「絶対に押したダメ」「考えてもダメ」というルールがあります。子どもたちはこのボタンを押さずにいられるのか。

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6位の「だるまさんが」。8位にも「だるまさん」シリーズ3冊セットがランクインしています。出版から10年を迎えるロングセラー作品。「だるまさんが・・・びろーん」などだるまが様々な行動やジェスチャーをし、それを見た子供がマネをします。その姿を見て親が喜び、その姿を見た子どもがさらに嬉しくなるという笑いの連鎖が生まれるといいます。

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上位3作品はすべて同じ作者。絵本業界のヒットメーカー・ヨシタケシンスケさんです。2位の「おしっこちょっぴりもれたろう」はいつもおしっこでパンツを濡らす男の子「もれたろう」が主人公。自分と同じようにパンツを濡らす悩みを持つ人を探しに出ると、様々な悩みを持つ人には出会うものの、なかなかおしっこを漏らす人には出会えません。そして、大人もびっくりの衝撃の結末を迎えます。

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絵本作家・ヨシタケシンスケさんは、「自分の息子がそうだった。おしっこを漏らす息子を見てため息をつく母。どっちの気持ちも分かるなって。双方の気持ちをすくい上げる本があれば面白いと思った」と話します。親子が一緒に楽しめる本がヨシタケさんの絵本の魅力なのです。

※この映像と記事は「ワールドビジネスサテライト」(9月4日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

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