瀧口:なるほど。ブロックチェーン本当にいろいろな使い方がある、仮想通貨以外にもいろいろと使えるということがわかりましたが、そこでこちらのテーマにいきたいと思います。「何に使える?ブロックチェーン」。
瀧口:ブロックチェーン、他にどんな使い方があるのかグラフがあるので見てみましょう。サプライチェーン、取引管理そしてシェアリングエコノミーなどいろいろな使い方あるんですけど、仮想通貨はわずか1兆円規模となっていますね。
奥平:今の話はこのごくごくわずかなところの話だったということなんですね。
瀧口:国内市場は67兆円規模、その中の1兆円が仮想通貨に当たると言う事なんですね。さて平野さん、ブロックチェーンの市場規模のグラフがあるのですが、具体的にサプライチェーンだったり取引管理、この辺はどういうことなんでしょうか。
平野:そうですね。例えばサプライチェーンはトレーサービリティという言葉がありますが、産地偽装を防ぐと言うようなことで、サプライの各段階をブロックチェーンで記録することによって改ざんできないようにしたり、それを支援するいろいろなシステムに使うことができるというのが一例ですね。
奥平:農産物とか肉、魚と言うイメージですか?
平野:そうですね。そういうものもありますし、実際工業用品もメイドイン○○という偽装もありますよね。単に一次産業だけでなく、あらゆるものがこの対象になります。
瀧口:そしてシェアリングエコノミーというのは、先ほどお話しいただいたような副業などを管理することができる、ということでしょうか。
平野:副業ですとか住んでる所の民泊みたいなものもありますし、いろいろな人が持っている財産や私有物、こういったものをシェアするときにその権利を持っている人であるということを証明するときに使えるということですね。
瀧口:今いただいたお話、このように整理できます。医療の治験データにも使えるんですね。
原:例えばこの前私が取材行ってきたときは、中国の会社だと旅行代理店などが、埋まっていない部屋などブロックチェーン上にあげて流通させると言う仕組みで使っているところもありました。それはどちらかと言うと企業版のシェアリングエコノミーで、お互いの在庫を全部出し合って、それをお互い融通するというケースもありますね。
奥平:例えば空いてるホテルの部屋や飛行機の座席、そういったものをブロックチェーンにのせてシェアすると。
原:そうですね。
瀧口:本当にいろんな使い方ができると言う事ですね。
奥平:共通項はやはり改ざんされたら困るものですかね。
原:そうですね。改ざんされたら困るもの、不特定多数が参加しやすいものに向いていると思います。
瀧口:そして気になるのは公文書改ざん防止というのがありますね。
奥平:これは旬なテーマですね。
瀧口:平野さん、この公文書改ざんについても実際に省庁も動いていたりするんでしょうか。
平野:そうですね。実は私の会社で公文書の改ざんを検知できるサービスを始めました。実際おっしゃったように日本でこれが必要になると思ってなかったんですね。
奥平:幸か不幸か、最近市場性が出てしまいましたけど。
平野:そうですね。新興国などはこういう問題が昔からあって、政権が変わると公文書が書き換えられてしまうようなことで、そういったところの役立ちがあると思ったんですけど、昨年以来日本でもニーズがあり、実名は言えないですけどある省庁とお話をしています。
あと1つ前のお話で、製造業によるデータの改ざん。これも自動車会社や鉄鋼会社によって最近実際発覚しています。こういったところがブロックチェーンの仕組みをもともと持っていることによって、データベース管理者でも書き換えられないようにすることができます。
また医療の分野でも電子カルテの改ざん等が問題になったりしていますが、これもブロックチェーンをシステム化することによって、安易に書き換えることができなかったり真正性を証明することができます。こういう風にいくつも活躍できる領域があります。
奥平:公文書改ざんの問題とブロックチェーンがここでつながってくるとは(笑)。
原:あの事件が起きたときにブロックチェーン業界の社長さんはブロックチェーンを使えば解決できるね、という話で盛り上がりました。
奥平:業界ではなんで使っていないのかと話題になってたわけですね。
瀧口:他にも改ざんができない仕組みとしてのブロックチェーンはいろんな活用の仕方、未来がありそうですね。
原:ブロックチェーンの潜在能力はいろいろな業界で応用が可能ですので
様々なアイディアがまだまだこれから先見つかっていくと思います。
奥平:従来型の情報管理システムを置き換えてよりセキュアにしていくというようなイメージですね。
原:単純にコストが安いシステムを作るわけではなく、今までできなかったことができる仕組みとして認識していただければと思います。
瀧口:いろいろな応用の仕方があるわけですが、平野さん他にはどんな使い方がありそうですか?
平野:私たちが取り組んでいるもので株主総会の決議や選挙といったところでも応用があり得ると思います。こういったものはやはり改ざんされたら困りますし、透明性が重要になります。国内のみにかかわらず全世界でニーズに応えていくことができると思います。
奥平:今後従来型の情報システムを入れ替えていくような方向感だと思いますが、コスト的にはいかがですか?
平野:新しくプラスで作るとなると、その分コストももちろんプラスになりますけど、新しく作るときにブロックチェーンで作るとこういう価値やトークンを移動するというところはブロックチェーンそのものに組み込まれていますのでお安くできますし、更にセキュリティや改ざん防止と言うところで新たにシステム組む必要がないので有利になると考えています。
瀧口:今日はいろいろな応用の仕方を伺いました。平野さん、熊本からありがとうございました。
平野:ありがとうございました。
瀧口:後編ではブロックチェーンの新たな可能性を模索する企業、クーガー株式会社の石井敦CEOをお招きしてお送りしたいと思います。そして原さんにも引き続きご出演いただきます。次回もお楽しみに。