瀧口:それでは今日のインデックスをご紹介したいと思います。まずはこちらです。「今さら聞けない!素朴な疑問」。
奥平:皆さん疑問だらけだと思うんですけど、新聞記事や雑誌でブロックチェーンという言葉を見ないこともないですし、実際テクノロジー関係の方に聞くとインターネットに匹敵するような、新しい技術革新だということはよく聞くのですが、中身になるとちょっと心もとないと言う方がいらっしゃると思いますので。
瀧口:ではこちらに質問をずらっと並べてみました。疑問だらけのブロックチェーンですけども、まずは「ブロックチェーン=仮想通貨?」ここから伺っていきたいと思います。これはどうなんでしょうか。
原:もともとブロックチェーンは仮想通貨の仕組みを示す言葉として使われ始めました。2009年の1月3日にビットコインの流通が始まるんですけど、それから遡ること1年前の2008年にサトシ・ナカモトという人の論文が公開されています。
その論文の中でビットコインを動かす仕組みとして始まったわけですが、最初からブロックチェーンという言葉が注目を集めていたわけではなくて、徐々にビットコインが認知されていく中で、これは誰が運営しているんだっけ?どうやってこれが回っているんだっけ?この仕組みって実はすごい仕組みなんじゃないか?ということで注目が集まり、他の仕組みで応用ができるんじゃないかという期待が高まったわけです。
奥平:サトシ・ナカモトは日本人風の名前ですので、日本人じゃないかと言う説もありますが。
原:サトシ・ナカモトが見つかったという報道が2014年くらいにありました。正直それが誰かはわかっていないのですが、この仕組みを考えた人としてはかなり頭のいい人だと言うことがわかります。
瀧口:このブロックチェーンという言葉は日本語で訳すとどういう言葉になるのでしょうか?
原:分散台帳と言われています。
奥平:銀行で取引を記録するのが台帳ですよね。
原:そうです。まさに取引台帳を銀行が集約して持っているわけですが。
奥平:図の中心が金庫の中で周りが取引している個人や企業のイメージですね。
原:銀行ってそういった意味だとすごくセキュリティをガチガチに守っている形だと思います。それはなぜかと言うと台帳の中身を書き換えられるとお金の行き来も書き換えられ犯罪につながりますよね。
それに対してブロックチェーンの仕組みというのは皆で同じ台帳を持つので逆に危ないんじゃないかという側面もあるかもしれませんが、仕組み上悪さはなかなかできないようになっているのが特徴です。
瀧口:どうやったら悪さができなくなりますか?
原:いくつかあるんですけど、例えば悪さをしようとしても51%の人が悪さをしようとしないとそれが正しいと認識されなかったり。多少のいろいろな悪さは横行しているのですが、仕組み上それを守っている状態です。
瀧口:同じ台帳をみんなで持っているということは、遡って台帳をどんどん見ていくことができるということですか?
原:そうですね。仮想通貨の世界って匿名と言われると思うんですが、取引の中身を全部見ることができるんですね。AさんからBさんに、BさんからCさんにというように。その取引の中身が10分に1回ブロックと言われるものに収納されます。それがチェーンになるのでブロックチェーンと言われるわけです。
例えば1つを書き換えようとすると、毎回10分に1回ブロックがつながっていくので、前のも全部書き換えなきゃいけなくなり、大変な作業になる。そういう形で耐改ざん性を高めていきます。
奥平:これが数珠つなぎになっているから、チェーンというわけですね。
原:そうですね。
瀧口:この1つのブロックは1つの取引を示しているんですか?
原:違います。様々な取引がこのブロックの中に入っています。
奥平:10分間という時間で区切られているんですね。
原:はい、そうです。基本的にはみんな計算をしています。よく計算競争と言われるんですけど、世界中のマイナーと言われるマイニングをする人がひたすら計算をするんです。その勝者の人がこのブロックを作る権利を手に入れて、その対価としてビットコインが付与される形です。
その人が作って、作りましたよと言ったらブロードキャストされてみんなに広めていく。それをマイナーの人たちが受け取り、これが正しいか確認して次に進むんですが、このヘッダというところに前のブロックのデータが入っているんです。なのでここを変えようとすると、さらに前も書き換えなくてはいけない。
奥平:(改ざんするには)10分前、20分前、30分前と延々と書き換え続けなくてはいけない。
原:そうですね。ですから先ほどみんなが台帳を見られる状態と言いましたが、何かをしようとするととてつもない計算能力が必要になってくるんです。
奥平:世界中の人が競争して、勝った人が10分間の塊を作っていく。ご褒美としてビットコインをもらえるということですね。
原:そうですね。そういうインセンティブがあって、欲しいと言う欲求があってみんながそれを作って提供しているということですね。