栃木県日光市を走る東武鉄道の蒸気機関車「大樹」の運行開始から1年が過ぎました。鉄道の乗客数の減少に歯止めをかけ、地元観光の起爆剤になると大きな期待がかかっていたSLが、様々な経済効果をもたらしています。

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SL大樹は鬼怒川温泉駅から下今市駅までの約13キロを30分ほどで走ります。車内ではSLアテンダントと呼ばれる女性が、下今市で楽しめるお勧めスポットを紹介。旅を盛り上げてくれます。

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鬼怒川温泉街にある温泉ホテル「ホテル サンシャイン鬼怒川」に現れたSLのバス。保育園のバスをSLの大樹そっくりに改装し、ホテルの送迎バスに使っています。

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このホテルではSLが走るようになると、ファミリー層の割合がアップ。ホテル全体の稼働率は60%から68%に増えたと言います。また、SL大樹の効果は絶大で、起点となる下今市駅では乗降者数が24%増えたといいます。

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下今市駅近くの喫茶店「珈茶話 Kashiwa」では、カプチーノの泡の上にチョコレートシロップで描いた「SL大樹ラテ」が人気です。店員は「今市はこれまで観光客が少なかったが、今は観光地化してきた」と喜んでいます。

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明治36年創業の和菓子店では「花林糖まんじゅう」を販売しています。SLの燃料になる豆炭をイメージして、竹炭パウダーを使い、黒まんじゅうに仕立てました。カリッとした食感で客の評判は上々です。

東武鉄道の試算では、この1年で地域への経済効果はおよそ14億円に上るといいます。SLの運行で期待を寄せていた経済効果が目に見えて表れています。

※この映像と記事は「ゆうがたサテライト」(8月10日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

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