国内の特許の登録数は164万件。多くは大企業が保有しているものですが、その半数以上が登録されているものの、活用されていません。このような特許を「休眠特許」といいます。その休眠特許を地方の中小企業が活用するという取り組みが広がっています。
宮崎県・延岡市にある鉄板などを加工する中小企業では、足が悪い高齢者などが立ち上がる時の負担を軽減し、補助する椅子を開発。実はこの椅子、オフィス家具大手のイトーキの技術を一部活用しています。
イトーキとこちらの会社を引き合わせたのは、宮崎県・企業振興課の島田さん。島田さんは、県内の中小企業と大企業をつなげる、いわば"接着人"です。イトーキが保有しながら利用していなかった「補助椅子」の特許を中小企業に紹介したのです。
同じ県内の水産加工会社では、新たなヒット商品を開発したいと考えていました。そこで島田さんが紹介したのが、大手食品会社キューピーの食品加工技術です。独自に開発を進めれば投資も大きなものとなりますが、特許を使うことで資金と時間をカットすることができます。
宮崎県の企業の99%が中小企業といわれています。自社製品をもたず景気に左右されやすい中小企業に製品開発を促すことで、安定した経営をサポートします。大企業の休眠特許を活かす地方での取り組みが今後、さらに加速しそうです。
※この映像と記事は「ゆうがたサテライト」(9月3日放送)の内容を配信用に再構成したものです。
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