日経電子版、日経産業新聞と連動してイノベーティブな技術やベンチャーを深掘りする、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」オリジナル番組の「日経TechLiveX」。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。
イスラエル企業の急成長を支えているのが、軍の存在。特に18歳の徴兵時に上位1%の人材が選ばれるイスラエル軍のサイバー諜報部隊「8200部隊」、そして、さらに狭き門となる超エリート人材育成プログラム「タルピオット」の果たす役割は大きい。タルピオットの副司令官を最近まで務めていたトメール・シュスマン氏と中継で結び、知られざる軍組織の正体に迫る。
瀧口:こんにちは。日経CNBCキャスターの瀧口友里奈です。そして、私と一緒に司会進行していただくのは、日本経済新聞編集委員の奥平和行さんです。奥平さん、よろしくお願いします。
奥平:よろしくお願いします。
瀧口:この番組はこちらの日経産業新聞、日経電子版と連動して、革新的なテクノロジーや今後成長が見込まれるスタートアップ企業に迫る「日経TechLiveX」です。Paraviのオリジナルコンテンツとしてお届けしています。
さて、今回は前回に引き続き『スタートアップ次々登場!イスラエル躍進の秘密』と題してお届けしていきます。それではゲストをご紹介します。イスラエル出身で、現在東京を拠点に日本とイスラエルの企業の橋渡しをしているコンサルタント、ミリオンステップスCEOのヨアブ・ラモトさんです。ラモトさんよろしくお願いします。
ラモト:よろしくお願いします。
瀧口:ではキーワードにいきたいと思います。『「8200部隊」と「タルピオット」とは?』。このタルピオットとは何でしょうか。
ラモト:タルピオットとは部隊ではなく、イスラエルで最も優秀なトレーニングプログラムです。このトレーニングプログラムには毎年30人くらいしか選ばれません。
奥平:その30人はどこから選ばれるのですか?
ラモト:徴兵された人たちの中から選ばれます。イスラエルは兵役の義務があるので、18歳になると軍隊に入らなければいけません。
奥平:男性も女性も(軍隊に)入るのですか?
ラモト:はい。女性は2年間、男性は3年間です。タルピオットのプログラムは非常に幅広い選択肢があります。その選ばれた30人に特別な教育を与えて、他の部隊に派遣する形で7年くらい任務を行います。
奥平:では全国にいる18歳の中で、ピラミッドの頂点にいる30人だけに特別な教育が行われているということですね。
ラモト:そうですね。そのコンセプトはイスラエルの基本理念に近いと思います。
瀧口:それはどのような理念ですか?
ラモト:イスラエルは非常に小さい国で人口も少なく、天然資源も無い国なので、数少ない優れた才能を大きく育てていかないと生き残ることができないという理念です。
瀧口:だからこそ(イスラエルは)コアテクノロジーの開発をするし、人材も少数精鋭でということですね。
ラモト:その通りです。
瀧口:選抜の対象となる全体の人数はどれくらいですか?
ラモト:1万人くらいです。
瀧口:1万人の中の30人。本当に少数精鋭ですね。
奥平:一度お会いしてみたいですね(笑)。身近な方でタルピオット出身の方はいらっしゃいますか?
ラモト:はい。実は僕の兄はタルピオット出身です。
奥平:1万分の30に選ばれたわけですね。やはりお兄さんは優秀ですか?
ラモト:僕より優秀です(笑)。