瀧口:こうしたことを背景にスタートアップ企業がひしめく国となっているイスラエルですが、今回日経CNBCがイスラエルへ飛び、注目の企業や人物を取材してきましたのでこちらのVTRをご覧ください。

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瀧口:巨大なビルが立ち並ぶイスラエル。パレスチナとの戦闘は今も続いているというイメージのあるイスラエルですが、ラモトさん、危険な場所というのはごく一部ですか?

ラモト:そうですね。(イスラエルは)本当に安全な国です。危険な所は立ち入りが制限されていますので、普通に行くと日本人の方は違った印象を受けると思います。

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瀧口:まずご紹介するのはエルサレム近郊に拠点を置くモービルアイです。自動運転の研究開発で世界の最先端を行く企業。去年3月インテルが買収し、強固な協力体制を築き上げました。

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瀧口:自動運転や危険回避を可能にするカメラやセンサーアルゴリズムを持ち、自動運転の分野で将来覇権を握ると目されています。

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瀧口:続いてはテルアビブ近郊にあるストアドット。開発しているのはフラッシュバッテリーというニュータイプのリチウムイオン電池です。ナノ素材と有機化合物を組み合わせた独自技術で、スマートフォンなら30秒で充電。電気自動車なら5分の充電で500キロ走るという画期的なバッテリーです。

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瀧口:開発は現在すでに最終段階で、2019年にはフラッシュバッテリーが製品化される見通し。電気自動車用のフラッシュバッテリーは2年後に実用化されるということです。

自動運転技術でインテルとタッグを組んだモービルアイと、バッテリーの常識を変えたストアドット。どちらも自動車に関する技術ですが、奥平さんどうご覧になりましたか

奥平:VTRを見ながらふと思い出しましたが、最近自動車会社の開発の人がよくイスラエルに出張に行っていて、何をやっているんだろうと思っていましたが、こういう所に行っているんですね。インテルのモービルアイ買収が去年の3月で、金額が153億ドル、1兆6,000億円という、非常に大きな買収でびっくりしました。

更に驚いたのが、インテルも元々小さいながら自動車部門を持っていたのですが、その車載向けの半導体部門を基本的に全部イスラエルに移してしまいました。シリコンバレーにいた(インテルの)人が全員イスラエルに転勤したというわけです。それだけ(インテルが)向こうの経営力や技術力を高く買っているということで、非常に興味深いニュースでした。

瀧口:そしてあのバッテリーですが、30秒や5分で充電できてしまうというのは驚きですね。

奥平:これは自動車開発の人が聞くと卒倒してしまいそうですが、バッテリーは何が怖いというと、発火なんですね。よくパソコンのバッテリーが燃えている動画などがYouTubeでもありますけど、非常に繊細なものなので、ちょっと異常な条件になると発火すると。もちろんスマートフォンやパソコンも怖いですが、自動車で発火すると命に関わりますから。これが短期間で安全にできるようになると、非常に大きなイノベーションだと思います。