瀧口:御社で開発をされている技術の裏付けとなっているのはどういった部分でしょうか。

小林:そうですね。自社でも様々なデバイスを開発していますが、もともと睡眠の基礎研究をしていた人間が我々の会社におりまして、彼の技術をベースにして、解析アルゴリズムやテクノロジーを開発しています。

奥平:レム睡眠、ノンレム睡眠って時々聞く言葉ですが、改めて小林さんの視点でどういう仕組みかご説明していただけますか。

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小林:よくレム、ノンレムで誤解されるのがノンレムは深い睡眠、レムは浅い睡眠だからノンレムが多ければ多いほどいいと思われがちですが、そうではなくて。

奥平:違うんですか。(睡眠が)深ければいいというものでもないと。

小林:もちろん(睡眠が)深いのはいいことですが、レム睡眠にも非常に重要な役割があります。通常前半はノンレム睡眠がたくさん出てきて、後半はレム睡眠が増えてきますが、レム睡眠の時は心の整理、メンタルの整理が行われる時間帯になります。

しっかりと必要睡眠時間を取っていることによって、後半にメンタルの整理ができますので、特にストレスがかかるビジネスパーソンにとっては必要な睡眠時間をきちんと確保することが重要になってきます。睡眠の前半にノンレム睡眠が出ている時には成長ホルモンやメラトニンといった物質が分泌されていて、(レム睡眠とノンレム睡眠は)このように役割分担があります。

瀧口:これは睡眠時間が7.5時間あった場合に、前半と後半に分けられるということでしょうか。

小林:そうですね。

瀧口:では睡眠時間が4時間の場合は後半のレム睡眠、心の整理をする時間が無くなってしまうのでしょうか。

小林:ゼロではありませんが、(レム睡眠が)少なくなってしまうことはあります。

瀧口:奥平さん、睡眠はやはり長くないといけませんね(笑)。

奥平:7.5時間しっかり寝ましょうと(笑)。

瀧口:こちらのデバイスやアプリを根神さんは三菱地所で実際に使われたわけですよね。

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根神:私も実際自宅で使ってみたのですが、非常に簡単に計測できますし、自分自身の睡眠が可視化されるので、自分の睡眠に関する関心は高くなったと思います。

瀧口:(計測結果は)アプリでご覧になったのですか?

根神:そうですね。起きた後すぐにアプリでチェックできますので、寝ている間に自分の状態がどうだった、ということを確認できます。

瀧口:結果はどうでしたか?

根神:思ったより悪い睡眠だった時もありましたが、なかなか自分では分からないので、具体的な点数で評価されるのは分かりやすかったです。

瀧口:睡眠も評価される時代になっていますね(笑)。

奥平:睡眠スコアリングですね(笑)。

瀧口:この中で一番大事なことはどの部分でしょうか。

小林:それこそ奥平さんのように短い睡眠に限られてしまう場合も結構あると思いますが、そういった時は全体的な時間は取れなくても前半の3時間4時間の深い睡眠だけでも確保しましょうとアドバイスをしています。

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瀧口:良い眠りに関してもう一つのデータを見ていきたいと思います。ニューロスペースが行ったアンケートの結果ですが、睡眠不足の原因ランキング。1位は仕事や外出などによる帰宅時間の遅さ。2位はベッド・布団に入ってからのスマホ。これが2位にランクインしてしまっていますが、奥平さんどうですか。

奥平:ちょっと耳が痛いですね。瀧口さんも痛いんじゃないですか(笑)。

瀧口:私も全てとは言いませんが、ほとんど当てはまりますね。

奥平:やはりスマホは駄目ですか。

小林:そうですね。寝る前にやはり脳を刺激してしまうということもあるのですが、ベッドでスマホをいじるということがよくなくて、人間の脳は場所とそこで行った行為をセットで記憶するという特徴があるので、ベッドで見てしまうと、ベッドは情報をインプットする場所と覚えてしまい、眠れなくなってしまいます。ベッドではない場所で本を読むとか、スマホの場合は光もあるのでそれ自体が良くないのですが、(行為の)場所というところがポイントになってきます。

奥平:小林さんはスマホをベッドから離れた所に置いていらっしゃいますか?

小林:はい。(スマホは)違う部屋に置いています。

奥平:徹底されていますね。

瀧口:そして最近「睡眠負債」という言葉をよく聞きますが、この負債は寝だめをして解消するということはできるんでしょうか。

小林:寝だめをして解消することは基本的にはできません。例えば10時間の睡眠負債が1週間でたまったとして土曜日に20時間寝ればいいのかというと、そうではなくて、20時間寝てしまうと次の日に支障が出てしまいます。

奥平:時差ぼけみたいになってしまいますよね。

小林:そうですね。そういった時にはお昼寝を適切に取って解消していくというポイントもあります。